大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

2018-06-01から1日間の記事一覧

〈都市の隙間に生息する雑目ショーバイである。通りすがりの人が、冗談やオフザケで賽銭を投じ、ほんの少しの真面目や本気で、一縷の望みを託す。イワシとは、保証書なしの、シアワセのバラ売り、チープな幸せ屋なのである〉

事物を描写するのでなく、自身の文を装飾する昭和軽薄体の流れを汲む饒舌、戯作の語り口ゆえ読み通すのが大変だが、初回と後半はまじめでおもしろい。杉浦日向子『新装版 東京イワシ頭 (講談社文庫)』。 イワシの頭も信心から。東京に跋扈するいかがわしい流…