大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

バディ(男×男)

牧凌太「世間はいつだってうるさいです」

『おっさんズラブ』、武川を演じる眞島秀和がきっちり“第三の男”だ。嫉妬心の有無だろうか。 「好き」という感情を押したり引いたりするだけでは恋愛ドラマとして単調になる。烈しさはもちろんだけど、性格や感情の歪(いびつ)なところもだしていける舞台に…

BL寄り青春コメディ(しかし、同性愛傾向のない友情なんてあるのだろうか?)

『青少年アシベ(1) (アクションコミックス(月刊アクション))』。原作、構成は森下裕美。作画、笑平。小学校低学年だったアシベたちが高校生に。 水族館にいるゴマちゃんに会いに行き、全裸でいっしょに泳ぐアシベ。ネパールカレーをもってくるスガオ君。水槽…

はるたんの思考と言語がコドモでコドモで。

『おっさんずラブ』第4話、「第三の男」。吉田鋼太郎と林遣都が田中圭をとりあっているところに眞島秀和が入ってくるというシェイクスピアばりにギッチギチの相関図ができて、外野の伊藤修子クソゲスで、どのばめんもおもしろい。 これまでスパイス程度に用…

読みながら、なぜジョンヒョンをおもいだすのだ。

表紙を見て「悪い、俺は性格が悪い。」かと早とちり。現代短歌の同語反復に馴れすぎてしまった脳。正しくは『俺は性格が悪い。 (EDGE COMIX)』。四宮しの。 登場するのはだいたい大学生たち。連作、群像劇。 だから院生がでてきたりほかのカップルのエピソー…

(神と野獣の都)

短編集、四宮しの『色咲き (onBLUEコミックス)』。「第一話」の、他人の疵痕(きずあと)へのフェティシズムが文学的だなー、とおもう。登場人物全員が文学的な重苦しさを共有しているわけではなくて、パートナーとなるおとこの子がかんたんに、主人公…

テレビにでているときとはちがう、実直と自由。

コンサート、『美輪明宏 ロマンティック音楽会〜郷愁ノスタルジア〜』行く。 半生を語りつつ、ばめんに即した歌をうたう。『紫の履歴書』の名をだしながらも、そこに書かれた烈しさはない。若いころのばめんを演じてみせる口吻に、するどい、丸山明宏らしさ…

〈約束を破ったことがわかると、父は鞭打ちの罰を加えた。しかし、生来の自然好きの少年には、どのような罰則も無駄だった。鞭打ちの影におびえながらも、いつも父の目を盗んでは出かけた〉

山と渓谷社、加藤則芳『森の聖者 自然保護の父ジョン・ミューア (ヤマケイ文庫)』。 ジョン・ミューアの伝記。日本ではなじみがうすいからどの出来事も等しくあつかっている。少年時代、青年期、壮年、といった具合にどこまでも。 神秘主義者ではなかった。…

「ここ…俺の部屋だよな…一瞬他人(ひと)の部屋のような気がしちまったが…」

(モーニング KC)" title="BOX~箱の中に何かいる~(3) (モーニング KC)" class="asin"> 諸星大二郎『BOX~箱の中に何かいる~(3) (モーニング KC)』。パズル、ゲーム、ルールの収拾がつかなくなって──規則から逸脱することのない物語も困るが──台詞の量が増えて…

「光二君は谷さんたちの時も手伝ってくれたし……その…頼りにもなるし……それから……」「ど真ん中ですか?」

諸星大二郎『BOX~箱の中に何かいる~(2) (モーニング KC)』。 「あたし 気付いてたんです あなた 実は 男が好きな人ですよね?」

「何かすごいことが起こってあたしの日常を吹き飛ばしてくれないかなと そんな風に思っていたんです」「すごいこと? お前 霊感少女なんだろ なら日常はすごいことばかりなんじゃないか?」

『BOX~箱の中に何かいる~(1) (モーニング KC)』。諸星大二郎のアンテナにいま引っかかっているものを、ひとつの箱のなかに入れて物語に仕立てあげる。短編でもなく、連作でもない不可逆的なホラーコメディ。全3巻。 登場人物の光二と惠がBL! といって読みす…

「自然学者のジョン・ミューアが言っているよ。『パン一切れを持ち、垣根を飛び越えろ』」「垣根のなかはぬるま湯ってことか」

ロバート・レッドフォード主演の『ロング・トレイル!』(2015)、監督はケン・クワピス、脚本リック・カーブ(マイケル・アーント)とビル・ホールダーマン。製作には(もちろん)ロバート・レッドフォードの名も。 原作はノンフィクション作家ビル・ブライ…

俳句 アニミズム 芭蕉×酒堂

中沢新一と小澤實の対談集『俳句の海に潜る』、ふたりともたのしそうだ。 ふたりを結びつけたのは細見綾子の〈そら豆はまことに青き味したり〉。歳時記では解説されることのない蚕豆(そらまめ)のもつエロティックな象徴性、俳句なるもののつよさ。 中沢 俳…

完成は死だが魂は続く

26編のオムニバス『ABC・オブ・デス2』(2014)、良かった。おもわず買った。 テーマは「死」。そこには酷薄もあるし不条理もある。監督のえらびかたが巧く、バラエティにも富んでいた。 さいしょに仰天したのが「Badger アナグマ」。自然をあつかう番組のパ…

「DNAに蓄積してきたものが、僕たちにも伝わってるんだ」「トカゲであった頃からの記憶?」「陸上競技のトラックに立とうとする人間は、たぶん、物覚えのいい遺伝子を持って生まれてついてしまったんだ。追体験しようとしてるのさ。遠い昔の快感を」「セックスもおんなじ?」

1994年の映画『800 TWO LAP RUNNERS』。監督は廣木隆一。脚本加藤正人。 原作の小説は川島誠『800 (角川文庫)』。 川島誠は児童文学に《性》をもちこんだ野心的で魅力ある小説家であり、それが要るひと要らないひとで評価が分かれる。 映画も、のっけから体…

「接待とは五分と五分の力やす。競り合ってるときの決め手だす。力がちがうときには接待でごまかされません!」

とんねるず主演、森田芳光監督『そろばんずく』(1986)。 森田監督の映画には古典落語みたいなハナシと新作落語みたいなハナシがあるが、『そろばんずく』はもちろん後者。 あたりをやさしくつつむ円熟は、まだない。攻撃的な批評精神。それをひとは「わけ…

〈そいつの声を聴いたのは 思春期の頃 おまえは自分を異常だと思ってるんだろう そしてそうじゃないと誰かに言ってほしいと思ってる 心の声とはそういうものだとわかっていたので気にしなかった 人は自問自答するものだということも〉

俺は灰島かなで いくつかのアルバイトをかけもち 小劇団に身を置く25歳 恋人の森田勇紀はバスの運転手をしている30歳 舞台の上では老人にもなるし 幼児にもなる 時には女になることだってある 30だろうと 60だろうと 学生や子供になり切るし それが許される…

(部屋掃除してメシ作って 彼女か? お前は俺の彼女か?)

前略 お母さん お元気ですか僕は東京で友だち100人作ろうとしましたが 見事サぼっちになってしまいましたでも安心してください… イメチェンしたらゲイのおじさんにモテモテ! 東京での生き方がやっとわかってきた 博士『ごめんしたって許さない (gateauコミ…

失神顔の発見

『植木等とのぼせもん』、「俺たち戦友」の回。 理髪店で頭を洗われながら、胸に秘めている《解散》の可能性のこと口にする主人公(志尊淳)。いいばめん。手堅い脚本。 志尊淳の、柔軟でまっすぐな感情表現にただただ酔っていればいい。まわりの大人たちの…

主人公のエンダーが、少年期のウシジマくん(狩野見恭兵)をおもわせる

「権威に対する反応が複雑。高圧的な《父》を喜ばせたいけれど相互的な愛が欠如していると、嫌がる」「彼は孤独のままでいい」 「皆、いつか負ける。面接の代わりにゲームで彼の心を探ります」「彼の感情に興味はない。強い指揮官になってくれればそれでいい…

〈地下鉄(メトロ)を降りて階段のぼりゃ 霧に渦巻くまぶしいネオン〉

『植木等とのぼせもん』第2話「植木さんの親心」。 小松政夫の自伝が原作だから、テレビにでているコメディアンとしての部分だけではない。植木等の付き人。さまざまな時間。にんげん。泣ける。 親子ってなんだろう。友だちとはべつの関係、ちがう流れを生き…

〈外国を旅するのは若者にとってはロマン おじいさんたちには大冒険〉

『花よりおじいさん』観はじめる。タイトルはもちろん『花より男子』のパロディで、オーバー70の俳優4人とカバン持ちの40代イ・ソジンでヨーロッパ10日間のバックパック旅行。ロアルド・ダールと森田芳光がアタマのなかにただようまま視聴するときれいに沁み…

「あそこのクラブハウスの、エビフライ……ぱふぱふしてて、少し締まりがなかったでしょう?」「社長。長野でエビフライを注文するほうが悪いんじゃあ……」

森田芳光監督作品。監督が亡くなったあとに森田組のつくった『の・ようなもの のようなもの』を観はじめたら、引っかかることのない流暢な会話がつづいて「あ、コレジャナイ……」。 『の・ようなもの のようなもの』は一旦置いて、『僕達急行 A列車で行こう』…

〈大学で募集してたインターンシップで来てみた会社は いろんな大人がいてキモイ〉

5年後。 〈オレは大人になったけど この人はあまり変わらない 29才 もうすぐ30 今集めてるもの ドローン そこそこの給料で それなりの部屋を借りて ドローンで遊ぶ〉 京山あつき『スリーピング・バグ (Feelコミックス オンブルー)』。語り手である「オレ」潤…

そしてそれは裏切られなかった。

『BABY vol.11r (POE BACKS)』。 井戸ぎほうによるアンソロジーの表紙。ああこの作家は信用していいとおもえた。

同性間のマゾヒズムとサディズム。井戸ぎほう『夜はともだち (POE BACKS Babyコミックス)』。 「立てる? 汗かいてるからシャワー行ってきたら」 「真澄 いつも ほんとに 本当に ありがとうございます ほんとに…ありがとう…」 「…やだな もう済んでるんだか…

「ハチミツ アワふいてる」「ナマだからね」

1990年代以降の萩尾望都にハマッたので、ヒトやモノがさまざまな音を立てるなかを生き延びたり優しさで呑んだりしている社会性と非日常の描写愛しく、その方向でポーの一族されると快感をおぼえる。 アランが、岩橋玄樹みたい。現代の匂い。それでいて(それ…

美しさ。物語。発見。

表紙の子が、美しい。麗しく受、となれば当然荒廃していて物語をもつことができず、ヒロインとして《騎士》をこいねがうほかないのだけれど、ロマンチックに待つよりも《騎士》の側から発見する話のほうが読み手としては胸が高鳴る。 出逢う二人にはコントラ…

あこがれ うらぎり こころのきず

絵本とか、歌の匂い。そういうものを愛したい。 志村貴子『起きて最初にすることは (シトロンコミックス)』。みじかいことばですべてを語り、おなじことばを用いながら深く、するどく展開する。 起きて最初にすることは 君より先に目を覚まし 君の寝顔を確認…

始まりは永遠

きらきらと、かるくて、まっすぐで。 中山優馬主演の『バッテリー』(2008)、助演は高田翔。 じぶんを信じたり、だれかを信じたりすることのシンプルな輝き。 へんに老成したところがない。中学生が中学生を演る。 千原ジュニアや中尾ミエ。斉藤由貴。まわ…

まっすぐで、ときどきぬけてる。

『劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー』(2015)、竹内涼真を観たくって。 ちいさいころから、ヒーローと、奇ッ怪な敵が戦うところ、もっと言えば奇ッ怪な敵が暴れまわるところが見たくって、テレビのまえにいた。ドラマにはそれほど興味…