大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

バディ(男×男)

主人公のエンダーが、少年期のウシジマくん(狩野見恭兵)をおもわせる

「権威に対する反応が複雑。高圧的な《父》を喜ばせたいけれど相互的な愛が欠如していると、嫌がる」「彼は孤独のままでいい」 「皆、いつか負ける。面接の代わりにゲームで彼の心を探ります」「彼の感情に興味はない。強い指揮官になってくれればそれでいい…

〈地下鉄(メトロ)を降りて階段のぼりゃ 霧に渦巻くまぶしいネオン〉

『植木等とのぼせもん』第2話「植木さんの親心」。 小松政夫の自伝が原作だから、テレビにでているコメディアンとしての部分だけではない。植木等の付き人。さまざまな時間。にんげん。泣ける。 親子ってなんだろう。友だちとはべつの関係、ちがう流れを生き…

〈外国を旅するのは若者にとってはロマン おじいさんたちには大冒険〉

『花よりおじいさん』観はじめる。タイトルはもちろん『花より男子』のパロディで、オーバー70の俳優4人とカバン持ちの40代イ・ソジンでヨーロッパ10日間のバックパック旅行。ロアルド・ダールと森田芳光がアタマのなかにただようまま視聴するときれいに沁み…

「あそこのクラブハウスの、エビフライ……ぱふぱふしてて、少し締まりがなかったでしょう?」「社長。長野でエビフライを注文するほうが悪いんじゃあ……」

森田芳光監督作品。監督が亡くなったあとに森田組のつくった『の・ようなもの のようなもの』を観はじめたら、引っかかることのない流暢な会話がつづいて「あ、コレジャナイ……」。 『の・ようなもの のようなもの』は一旦置いて、『僕達急行 A列車で行こう』…

〈大学で募集してたインターンシップで来てみた会社は いろんな大人がいてキモイ〉

5年後。 〈オレは大人になったけど この人はあまり変わらない 29才 もうすぐ30 今集めてるもの ドローン そこそこの給料で それなりの部屋を借りて ドローンで遊ぶ〉 京山あつき『スリーピング・バグ (Feelコミックス オンブルー)』。語り手である「オレ」潤…

そしてそれは裏切られなかった。

『BABY vol.11r (POE BACKS)』。 井戸ぎほうによるアンソロジーの表紙。ああこの作家は信用していいとおもえた。

同性間のマゾヒズムとサディズム。井戸ぎほう『夜はともだち (POE BACKS Babyコミックス)』。 「立てる? 汗かいてるからシャワー行ってきたら」 「真澄 いつも ほんとに 本当に ありがとうございます ほんとに…ありがとう…」 「…やだな もう済んでるんだか…

「ハチミツ アワふいてる」「ナマだからね」

1990年代以降の萩尾望都にハマッたので、ヒトやモノがさまざまな音を立てるなかを生き延びたり優しさで呑んだりしている社会性と非日常の描写愛しく、その方向でポーの一族されると快感をおぼえる。 アランが、岩橋玄樹みたい。現代の匂い。それでいて(それ…

美しさ。物語。発見。

表紙の子が、美しい。麗しく受、となれば当然荒廃していて物語をもつことができず、ヒロインとして《騎士》をこいねがうほかないのだけれど、ロマンチックに待つよりも《騎士》の側から発見する話のほうが読み手としては胸が高鳴る。 出逢う二人にはコントラ…

あこがれ うらぎり こころのきず

絵本とか、歌の匂い。そういうものを愛したい。 志村貴子『起きて最初にすることは (シトロンコミックス)』。みじかいことばですべてを語り、おなじことばを用いながら深く、するどく展開する。 起きて最初にすることは 君より先に目を覚まし 君の寝顔を確認…

始まりは永遠

きらきらと、かるくて、まっすぐで。 中山優馬主演の『バッテリー』(2008)、助演は高田翔。 じぶんを信じたり、だれかを信じたりすることのシンプルな輝き。 へんに老成したところがない。中学生が中学生を演る。 千原ジュニアや中尾ミエ。斉藤由貴。まわ…

まっすぐで、ときどきぬけてる。

『劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー』(2015)、竹内涼真を観たくって。 ちいさいころから、ヒーローと、奇ッ怪な敵が戦うところ、もっと言えば奇ッ怪な敵が暴れまわるところが見たくって、テレビのまえにいた。ドラマにはそれほど興味…

笑う回数よりも泣く数のほうが多かったかな

『帝一の國』観る。菅田将暉、野村周平、志尊淳、間宮祥太朗、竹内涼真、千葉雄大──このキャスティングの凄さ。 いくつものカップリングを「発見」できておもしろい。俳優の熱演に原作が奉仕するかたちだ。キャラクターの関係性をつよくする温かな肉の匂い。…

「僕がチャンピオンでいるあいだは、必ず会場を満員にしますから」 竹下幸之介

DDTプロレスリング「MAX BUMP 2017」観戦。Amazonビデオのコンテンツ「ぶらり路上プロレス」でどんどんDDTを好きになり、竹下幸之介を観たくて観たくて足をはこんだ。後楽園ホール。 なにしろ「ぶらり路上プロレス」がおもしろい。キャラクター、パーソナリ…

荒まずに寝ればいい

『エイプリルフールズ』(2015)、7つの挿話が同時進行する。2時間の映画だからどの話も掘り下げられないのは明らかだけれど、それにしてもエイプリールフールの解釈やウソの練りかたがアマい。それでも松坂桃李の全裸の後ろ姿に、スウェット姿の浦上晟周の…

ドラえもん「部長とボクとどっちがだいじなのッ!」

『映画 ドラえもん 新・のび太の日本誕生』(2016)、テレビ放映は先週3月3日。旧石器時代のククルが清冽で凛凛しく愛らしく、チャンネルを合わせるたびに展開がスムーズ。それで改めて正坐して観る。良かった。 映画ドラえもんの新シリーズに対してエピソー…

〈「おめは手が不自由だから百姓はできねげんとも、頭(あだま)はいいんだがら、勉強(べんきょ)で見返してやれなぁ」/何度かいわれているうちに、清作も母の気持がわかってくる〉

渡辺淳一『遠き落日(上) (講談社文庫)』。映画は、1992年。新藤兼人監督による母子愛もので、暴露本的な原作(1979年)とはちがった匂いのようだけれども。 『遠き落日』は野口英世伝。「私」が取材にメキシコのメリダを訪れるところからはじまる。モダンな…

「『22ジャンプストリート』を一緒に観て泣いたの覚えてる?」

『タイラー・オークリー 君は君のままで』(2015)。オープンリーゲイでユーチューバーのタイラー・オークリーのドキュメンタリー。 セクシュアリティ、政治的な立ち位置を明確にしつつサービス精神に溢れたコンテンツを提供しつづける。骨の太いことだ。こ…

「オカマだと? 今は2014年だぞ。ゲイとホモセクシャルは許す。オネエと呼ぶユーモアは俺にはないが」「……『人間の性』の授業で感化されてる」

『21ジャンプストリート』の続編、『22ジャンプストリート』! 前回は高校に潜入したが、今作では大学に。どちらも、パーティーのシーンは派手でこなれている。 アメフトで活躍するのはブラッド(チャニング・テイタム)。精悍で愛嬌もたっぷり。ギークなネ…

「初登校でゲイの黒人を殴ったりして何なんだ」

『glee/グリー』 のせいだ。 『21ジャンプストリート』、2012年の映画。高校の同級生だった二人が警察学校で再会し、そこでは意気投合、オトナになってトモダチになるということもある。 そんな二人にあたえられた仕事は、高校生のふりをして、クスリの供給…

「子供時代など皆おなじ。架空の記憶を寄せあつめて人格が形成されるとおもう奴は、ほかの自伝を読めばいい」  グレアム・チャップマン

『モンティ・パイソン ある嘘つきの物語 グレアム・チャップマン自伝』(2012)。3人の監督、14のアニメ製作会社による。つぎはぎなのはモンティ・パイソンらしくて好い。どのスケッチも〈セックスとバイオレンス〉に満ちている。 グレアム・チャップマン(1…

「卓郎のこと好きな奴なんて一人もいないんだよ!」

前作の須賀健太も愛しかった。この『青鬼 ver.2.0』ではいじめられっ子のシュン(タモト清嵐)、いじめの首謀者・卓郎(松島庄汰)、腰ギンチャクのたけし(勧修寺玲旺)、エキセントリックな秀才ひろし(中川大志)。シュン以外の、同性間の友愛が、狙って…

1989年、劇場版『悪魔くん』。冒頭から来ていたが、百目の「海って痛いもん。ぼくのおしりに噛みついたもん」という科白で完全にヤられる。テンポも、ユーモアも、登場人物の出順もみごとだわ。

2008年のオーストラリア映画『ブルー・ブルー・ブルー』、シコい。 他人から見てシコいものが青春だ。羨まれない若さなど、何でもない。 物語は、弛緩している。そうではあるけど好奇心を充たそうとする少年たちのドライブや、セックスや、サーフィン。かれ…

「似たような罪をまた犯すことができても、まったく同じ罪を犯すことはできない」

『46億年の恋』(2006)。原作は正木亜都(梶原一騎/真樹日佐夫)『少年Aえれじぃ』。 映画は、カチンコからはじまる。舞踏。抽象的な舞台装置。演劇的だ。 安藤政信と松田龍平を除くまわりのにんげんたちがよくしゃべり、そのつるみかたが邪悪で野蛮。 窪塚…

おれのセレブリティ

『バッド・ブロマンス』、原題The D Train。2015年の映画。ヘンリー・ジェブロフスキーがでていたのが、『ヒーローズ・リボーン』完走後として嬉しい。 監督、脚本はジャレッド・ポール、アンドリュー・モーゲル。 話としては簡潔で、感動的だ。 高校の同窓…

「いいからついてこいよ。新宿二丁目におもしろい店があるんだ。今日は四月四日だろ。特別な日なんだ。三月三日はおひなさまで、五月五日は子供の日だろ。となると、四月四日はオカマの日だ。さっ、行こう」

つかこうへいの文章は、ノッてくるほど冗談口ばかりになり臨場感が増す。それで登場人物たちの抱える事件が重いんだか軽いんだかわからなくなることしばしば。それぞれの時間的な思考や傷が霧散してしまうのだ。その変わり身の早さは演劇的で、小説の方法と…

「にんげんなんて所詮ぬるぬるですよ」

『ハッシュ!』、2001年の映画。2001年の高橋和也と田辺誠一がゲイのカップルを演じる。監督、橋口亮輔。にんげんの短所が真ッ先にでてくるような描きかた。これをやると登場人物を多面的にえがくのに時間がかかる。 行きずりのセックスを厭わないような、即…

がっちゃん「昔は隠すのみで、SMと言ってもSMと言っても、言っても絶対にお客同士は会わないのが普通でしたから。SMバーで客同士がみんなで会話をするようになったのなんて、最近の話だと思いますよ」

二村ヒトシ、金田淳子、岡田育のトークイベントがまとめられた『オトコのカラダはキモチいい (ダ・ヴィンチBOOKS)』。発言者のプロフィールを知らずに読んで、岡田育を年配の腐女子だとおもっていたら、金田淳子のほうが年上だった。BLに対して現役なのが金…

古墳的魔術

『DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧』観る。監督は大根仁。なにしろ気持ちが好い。ひとを自由にするものはストーリーではなくて画だ。画の蓄積や、画の選択。圧縮。快楽。電気グルーヴはメロドラマ的な詞に頼らないし、この映画も動的に静的に…