大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

フィンランド

「このときを待ってたんだ。スロットじゃなにも生まれない」

マリヤッタ・クレンニエミ原作(絵・マイヤ・カルマ)の児童小説『オンネリとアンネリのおうち』(2014)。監督はサーラ・カンテル。 大家族のなかでさびしいオンネリ(アーヴァ・メリカント)と、離婚家庭にあってさびしいアンネリ(リリャ・レフト)。ふた…

〈あまりに得体の知れないものに出会うと、喜びすら湧きあがる。狭く思えた地球が果てしなく広く感じられる。この世にはまだわたしが知らない味がある! そう思ったら、なにやら胸がときめいた〉

あくまでも出張中の横道道中である。しかも、はじめての作文。当たりはずれも大いにあろうが、福袋をあけるような気持ちでお読みいただければ、とても幸せである。 片桐はいりの本を初めて手にする。吃驚した。絶品。映画『かもめ食堂』の余録のようなかたち…

こわいサンタクロース

フィンランドの映画にはおおむね生活がある。 経済と、貧しさ。それを強調するように家庭は不幸。 ダークファンタジー『レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース』(2010)。採掘をしていたらなにかがでてきた、というかそれこそが目的だった。現場ではそ…

「底意地がわるくて、つめたい子。わたしを愛していないのよ」

『フィンランド式残酷ショッピングツアー』(2012。ロシア。フィンランド。監督ミハイル・ブラシンスキー)。手持ちカメラによる一人称映画。その形式を確立したのがホラーゆえ、そちらに寄り添うかたちだけれども、家族映画。母子のロードムービーといった…