大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

小説

名句いくつか

読者として、短歌にかたむく時期があったり、俳句にもどってきたり。 神秘とか、そとのせかいをながめているとふしぎと俳句がほしくなる。 そういうときにもとめるのは、口語や自己憐憫ではない。 外(と)にも出(で)よ触るるばかりに春の月 中村汀女 角川…

水木しげる『神秘家列伝』の「駿府の安鶴」は参考文献に石川淳の『諸国畸人伝』。 石川淳の描きだす駿府の安鶴は、江戸にあこがれるやんちゃな若者というかんじ。

〈良いドラマー、良い教材をお手本にして、確かな腕と心を磨いていきましょう!〉  ピエール中野

なにが夢でどこで実現とするかはむずかしいところだけれど、音楽やってる友人が夢だかモチベーションだかを喪失して故郷に帰ると言う。バンド仲間への不満のようだ。あたらしい仲間をさがす気力が……。 故郷に帰ることはない。都会は退却するためにあるのでは…

書肆侃侃房『KanKanPress ほんのひとさじ vol.1』。特集「旅じたく」。 いまいるばしょがいやで家出のような旅にでる。旅立つまえの怕い支度。もてるものぜんぶのような、ごくわずかな荷物のような。 漂泊がはじまればユーモアも生まれるかもしれない。けれ…

えっ、えっ、とびっくりしたり呆れたりして日々が過ぎ、 やがてその驚きの暮らしの中にいつの間にかとけ込んでいくのである。 青目海『ポルトガル物語 漁師町の春夏秋冬 (KanKanTrip Life 1)』。 ところ変われば感覚がちがってくる。 アルガルベには、ひとっ…

書肆侃侃房の小冊子『ほんのひとさじ』。『KanKanPress ほんのひとさじ vol.6』から読む。歌人によるエッセイやショートショート。もちろん短歌も。特集「つぶやき」。 眠るとき君の名前を呟けば夜の空気が動いてしまう 鈴木晴香 つぶやきがささやきになり、…

「私はオーストリアという、極端に言えば、もう歴史から脱落してしまった、巨大な怪物のような過去をもつ小さな国の出身なのです」

中村朝子訳、インゲボルク・バッハマン『インゲボルク・バッハマン全詩集』。訳者のあとがき、解説がありがたい。バッハマンへのインタヴューがいくつか引かれており「グリルパルツァーやホーフマンスタール、リルケ、ローベルト・ムージルといった詩人は、…

龍潜淵

上籠鈍牛先生のところで本を知る。「墨場必携」。そこにあったのは『五体墨場必携(上) 篆・隷・行・草 五体墨場必携 篆・隷・行・草』でないけれど、Kindleで買うばあいこれ。 二字、三字、四字、五字、六字、七字。楷書・行書・草書・隷書・篆書にて。 辞…

白の芸術

林家ぼたん、上籠鈍牛のコラボセミナー行く。落語一席、書道実演、話し方講座、対談とぎっしりのプログラム2時間。 林家ぼたんの高座は「一目上がり」。書家に合わせた佳い噺。画や詩を褒めるがうまくいかないという。落語初心者へのマクラも上手い。 書家、…

(子どもの歌がうまれるところ)

ぼくたちは、子どものころにきいていたNHKの「みんなのうた」を目指していてさ、楽しくて明るくて、文字どおりみんながうたえる歌を作ろうって、話してたね。「上を向いて歩こう」の永六輔と中村大八、映画「メリー・ポピンズ」のシャーマン兄弟、「サウンド…

〈自分の暮らしのなかで、子どもの存在がどんどんでかくなっていって、「いざというときに自分の子を助けられるだけの体力をもたねば」と真剣に思い、再び自転車に乗り始めたのだ。(……)いつしか自転車は、単なる遊び道具ではなく、暮らしのなかに欠かせない、家族のような存在になっていた〉

あるひとの死がじわじわとおおきくなる。ひびいてくる。そういうときは、時間軸から解かれているのだ。そのひとも、じぶんも。 忌野清志郎『サイクリング・ブルース』(『旅する清志郎。』の内容もよく似ているとか)。 いくら頑張っても、世間の評価とかは…

〈芸術が美を拒否した時から、ぼくは翻訳が可能になったと思う〉  安部公房

安部 私なんかの体験ですと、一番自分のプロセスがわかるのは芝居なんです。観客が直接的だからでしょうね。それを見ますと、だいたいテーマを思いついてそれがものになるのに二年かかる。最初はなんというかな、読者としてある現実を見るんですよ。まだ読ん…

「明治以来、日本人はヒューマニズムにかぶれて、せめて隣人に接近しようとアクセクしているのだよ。しかしうまくいかないで、で、うまくいかないからこそ進歩しているのだよ」  三島由紀夫

20代のノンケとテレビ番組『ビートたけしの私が嫉妬したスゴい人』観てた。美輪明宏が紹介しようとしている人気作家を「黒柳徹子だ」と言う。なるほど……。現代らしい正しい推察ではある。答えはもちろん「言うまでもなく」三島由紀夫だ。 亀梨和也が自転車メ…

〈始まり(ビギニング)というものは、起源(オリジン)とは異なったものである。起源がつねに後から顧みられた眼差しのもとに成立する、正統的に必然的なものであるとすれば、始まりは逆に、いかなる根拠付けにも保証されず、なにかの偶然によってそこで始…

〈彼らは空間を、外観(みかけ)の変化にしたがって、美しい、または美しくない、と呼んだ。時間については異なり、/「時間とは生命の性質です」/と彼らは言った〉

高橋和夫訳、エマヌエル・スウェーデンボルグ『霊界日記 (角川文庫ソフィア)』 、たま出版から刊行されたものが1998年に増補・改訂されて角川文庫に入る。 高橋和夫によりボルヘスのことばが紹介されている。日本の90年代。ポストモダン的な横断、寛容があっ…

「ぼくは『ついてこれるならついてこい』と思って作っているので」増田セバスチャン  『ほぼ日刊イトイ新聞』

〈25歳で原宿に6%DOKIDOKIをオープンして、気がつけば15年も経っていた〉 増田セバスチャンの自伝(的)(小説作品)『家系図カッター (角川文庫)』。語られるのは2011年まで。そのあと、東日本にはおおきな地震が来る。 妾の子である母とか、新興宗教にハマ…

〈「おめは手が不自由だから百姓はできねげんとも、頭(あだま)はいいんだがら、勉強(べんきょ)で見返してやれなぁ」/何度かいわれているうちに、清作も母の気持がわかってくる〉

渡辺淳一『遠き落日(上) (講談社文庫)』。映画は、1992年。新藤兼人監督による母子愛もので、暴露本的な原作(1979年)とはちがった匂いのようだけれども。 『遠き落日』は野口英世伝。「私」が取材にメキシコのメリダを訪れるところからはじまる。モダンな…

〈「秘密の時間」は秘密の内に処理されなければならない。一日二十四時間しかないところに、こっそり「秘密の時間」を設定してしまうのだから、一日が短くなる〉 橋本治『失楽園の向こう側 (小学館文庫)』。 子供の世界観は、性欲抜きにして完成している。し…

〈渋谷と巣鴨は、方角がまるで違う離れた場所であるが、ひとつの共通項で結ばれている。それは熟女系風俗のメッカである、という事実だ〉

体験ルポ やってみたら、こうだった (宝島SUGOI文庫)" title="体験ルポ やってみたら、こうだった (宝島SUGOI文庫)" class="asin"> 編 (宝島SUGOI文庫 A も 1-2)" title="やってみたら、こうだった 編 (宝島SUGOI文庫 A も 1-2)" class="asin"> 本橋信宏『体…

わたしは 雪となって 枝々からぶら下がる 谷の春のなかへと、 冷たい泉となって わたしは 風のなかを流れる、 濡れて わたしは 花たちのなかに落ちる 一滴となって、 そのまわりで 花たちは腐る 沼地のまわりのように。 わたしは 絶えず・死ぬことを・考える…

〈高度な情報処理能力を身につけてしまった我々は、テーマとは無関係な大量の情報が詰まった映像をこそ求めている〉【Documentary】

〈'88年から「ホットドッグ・プレス」に二年間連載されたものを、'90年9月に単行本として編集した。'97年、それをさらに文庫用に編み直したのが本書である〉 いとうせいこう『ワールドアトラス (幻冬舎文庫)』。みんなだいすき悪魔の辞典というやつ。ルナー…

〈母は官能的な生れつきであった。物の感触を愛した〉

村岡花子訳、パール・バック『母の肖像 (新潮文庫)』。 町じゅうの少年少女が砂糖天幕(シュガー・キャンプ)に集って、砂糖楓(メープル・シュガー)の汁をかき廻し、薪を添えて火を盛んに燃やす。大抵は雪がつもっているから、シロップが出来あがるまでの…

〈秋田は、アイマイより明晰な論理性を好む。「小説」のみならず、芸術的行為に時としてやむをえず必要とされる、アイマイさ、ねたましさ、暗さ、いいかげんさ、身勝手さのようなものは、秋田にない〉

富岡多恵子『漫才作者 秋田実』。 秋田實が26歳のとき、漫才師のエンタツ・アチャコは35歳と34歳。 「エンタツさんは、私の台本が出来上る度に、子供のように率直に感激した。私は私で、エンタツさんを喜ばせるために、夢中になって新しい台本を書いた。その…

フリーマガジン整理

ダイヤモンド社のリトルマガジン「Kei」2016年11月号、『論語と算盤と私』を著した朝倉祐介が〈事をなすにあたって何よりも大切なことは何か。私なりに考えるに、それは「旗を掲げる」こと、すなわち、自分の信念や大義を掲げて、周囲の人々に向けて発信し、…

恋愛について

野島伸司『スコットランドヤード・ゲーム (小学館文庫 の 2-1)』。 「もしかしたら愛とは、命の灯火が消えてからじゃないと分からないものかもしれない。花火のように、消えた後、そっと暗闇の中でしか」 「僕らが日ごろ愛と呼んでるのは、全て恋でしかない…

〈愛しているものや美しいもの、ずっととっておきたいくらい大切なもののいちばんいい保存方法は物語にすることだ〉

絵本についてのエッセイ、江國香織『絵本を抱えて部屋のすみへ (新潮文庫)』。 〈友情というのは厄介な代物で、言葉にするとたちまち空々しく鬱陶しくなってしまうのだが、だからこそ、正しく紙の上に写すことができたら、と憧れる〉など、絵本をとおしてだ…

2009年

野島伸司脚本『ラブシャッフル』。 「普通の人間達は、傷つけても構わない。実際、簡単に再生もするんだから」

〈女には魔の時があって、分らないうちに身を滅ぼすことがあるのだ〉  芝木好子「聲」

愛のかたち (1982年) (集英社文庫)作者: 瀬戸内晴美,日本ペンクラブ出版社/メーカー: 集英社発売日: 1982/04メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る瀬戸内晴美・選『愛のかたち (1982年) (集英社文庫)』(日本ペンクラブ編)。 岡本かの子「家霊」…

〈父がガンで死にそうな時、看病の合間をぬって、私は彼に抱かれに行った〉

『静心』の文庫化、『究極のいい女 (角川文庫)』。大石静のエッセイ集。 『オードリー』の他にも、『ふたりっ子』の後に私が書いたドラマの中に、爆発的ヒット作はない。『オトナの男』『DAYS』『ふたつの愛』『あきまへんで!』『アフリカの夜』『終のすみ…

千葉君のかわいさについては触れぬ距離

大石静脚本の『家売るオンナ』を世間知らずのおとこの子と観ること多く、そこから得るもの大きいが、妙齢女子がシェアハウスに至る回でおとこの子が「こんな生活あるわけねえ」と夢にもみなかったという顔していて、いちいちおしえはしないけど、となりでこ…