大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

短歌

〈冬の木がきょねんのようには見えぬこと ほっとよろこんで ただすぎてゆく〉  今橋愛

永井 私がいちばん思ったのは「上がるから、下がる」んだなあということを、思うんですよね。なんか20年やってると、すっごいやる気あった人ほど、なんかに失望しちゃうと。 石川 あー、やめちゃうとか。 永井 離れちゃうとか。やっぱそういうことってあるん…

〈たくさんのおんなのひとがいるなかで わたしをみつけてくれてありがとう〉  今橋愛

穂村弘『ぼくの短歌ノート』で知った今橋愛の歌が良かった。 とりにくのような せっけん使ってる わたしのくらしは えいがに ならない それで、電子書籍で本をさがした。むかし歌集はすぐ品切れになって手が届かなくなったりしたが、だいぶ時代は変わった。 …

〈柔道の受け身練習目を閉じて音だけ聞いていたら海です〉  小坂井大輔

ずっとトイレに置いてある。うそうそ、電子書籍で持ってる。 小坂井大輔の歌集『平和園に帰ろうよ』。暴力の歌もあればかわいいの歌もある。 値札見るまでは運命かもとさえ思ったセーターさっと手放す 白葱を噛んだらぎゅるっと飛び出して来たんだ闇のような…

〈あづさゆみ春の真昼の下り電車口あけて狐型美少年眠る  酒井佑子〉

白露に薄薔薇色(うすばらいろ)の土龍(もぐら)の掌(て) 川端茅舎 蟻と蟻うなづきあひて何か事ありげに奔(はし)る西へ東へ 橘曙覧 〈『うたの動物記』は二〇〇八年十月から、二〇一〇年十月まで、日本経済新聞の毎日曜の文化欄に連載されたエッセイで…

〈典雅なるものをにくみきくさまらを濡れたる蛇のわたりゆくとき  葛原妙子〉

何年もかけて読了。関川夏央『現代短歌 そのこころみ』。いい本だった。2月26日に二・二六の箇所を読めた。斎藤史。 巻頭は「斎藤茂吉の最晩年と青年時代の中井英夫」。 短歌ほろべ短歌ほろべといふ声す明治末期のごとくひびきて 斎藤茂吉 「生活即歌、と誰…