大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

落語

〈江戸書物屋仲間へもお叱りが来た。黄表紙作者はとかく突飛なことばかり思いつき、世の慣行を乱しがちである〉  井上ひさし「質草」

第105回『カリーズ寄席』。出演は春風亭昇羊、春風亭昇咲、柳家花いち。 演目は昇羊「二階ぞめき」、昇咲「区それぞれ」、仲入あって花いち「狸の紹介」、昇羊「質草」。 春風亭昇羊は二枚目で良くも悪くも芝居っ気の堅さがある。それが綺麗に効いた「二階ぞ…

百年目

「落語協会百年興行」三月十日、昼の部。 春風亭一蔵 「置泥」 三増紋之助 曲独楽 古今亭文菊 「つる」 鈴々舎馬風 漫談「楽屋外伝」 ロケット団 漫才「四字熟語」 林家彦いち 「遥かなるたぬきうどん」 入船亭扇太 「ぞろぞろ」 五街道雲助 「勘定板」 林家…

4年ぶり。吉祥寺

『吉祥寺寄席』第58回「おめでた芸で、笑って祝う4年ぶりの再開!」行く。 演目は春風亭三朝「松曳き」、翁家和助「太神楽 おめでた芸を満喫」。仲入あって立川龍志「寝床」。 「松曳き」は“主従の粗忽”といわれるように殿様がそそっかしければ、家老の三太…

開演13時、終演予定15時20分。押した。

『春風亭一之輔のドッサリまわるぜ 2022』、よみうりホール。 オープニングは私服姿で春風亭一之輔。これだけで会場が盛りあがる。 開口一番は春風亭与いち「金明竹」。 一之輔は「加賀の千代」「反対俥」。仲入りあって「百年目」。 「加賀の千代」はご隠居…

「永井荷風も永六輔もいつも寄席にいたでしょ。常に人混みの中にいないと見つけられないよ」  高田文夫

『散歩の達人』2022.5 。「俳優 安藤玉恵を育んだ西尾久の街」目当ての購入。大特集「都電荒川線さんぽ」と特集「街には笑いが必要だ!」の相性も良い。 安藤玉恵の地元は、三業地。「私の祖母は、阿部定さんを見たことがあるらしいんです」 玉恵 私、阿部定…

さいごは、東京大衆歌謡楽団。

「『二つ目物語』完成記念特別上映会」行く。 監督、林家しん平。上映前の進行は蝶花楼桃花。しん平師、喋れば飽きさせない。今作・柳家㐂三郎の演技と『落語物語』(2011)の柳家わさびの違いや、前座ぽっぽ→二つ目ぴっかりを経てしん平映画常連である蝶花…

鰍沢

第4回『三遊亭楽八独演会』。訪れて、江戸東京博物館が4月から休館に入ると知る。 演目は三遊亭楽八「千早振る」、春風亭いっ休「初天神」、楽八「宮戸川」。仲入りあって楽八「鰍沢」。 「鰍沢」の花魁だったお熊、「宮戸川」の若いお花。異なるタイプの女…

嘘と、ささやかな多声。

「先生ワタシね、ワタシねじぶんが今しゃべったこと、じぶんが今しゃべったこと、次の瞬間忘れてるんです」 「困りましたねそれは」 「何が?」 笑福亭松枝「高津の富」。『新春揃踏 角座演芸づくしの会』(心斎橋角座 2021.1.1)より。 ドクターシリーズと…

「これが善六先生の心意気」  『御神酒徳利』

渋谷らくご2月13日、14時の回。 出演は三遊亭好二郎、立川談吉、快楽亭ブラック、柳家小せん。 録画した落語の番組が溜まる一方なので、町の落語会を覗いているばあいでないともおもうけど、所属の異なる四人、立川談吉も快楽亭ブラックもいる。これは聴かな…

「古典がやっぱり、すごいですよね。あのう、なんか、よく出来てるんですよ……」  松本幸四郎

『春風亭一之輔のカブメン。』落語とトーク。 ゲストは松本幸四郎。そのリクエストで、春風亭一之輔は「死神」を演る。 新春のネタではないと一之輔は言うが、松本幸四郎は、いま演るべき話だと満足そう。カネに目がくらんでノリを越えてしまうニセ医者の、…

「この自然界には、原因のない作用はありませんから」

配信サーフィン。鈴本演芸場の昼席をすこし観て、それから浅草九劇オンライン、柄本明の『煙草の害について』。 移動に時間をつかうことなく、つくられたものを渉猟できる。本や映画ではない。舞台でそれができるようになってしまった。 落語は、かなり厳選…

「ぼくはいったい何をカッコつけてたんですかねえ」

『BS笑点ドラマスペシャル第2弾 五代目 三遊亭圓楽』観る。 円楽を谷原章介、立川談志に駿河太郎。五代目円楽の堅苦しさ、談志の危なっかしいところがよくでている。 美談、失敗談のならぶ予定調和の青春物語に終わらず、社会と戦い、越えていく。 さいしょ…

〈街の空 空の街 空見れど 空見れど〉

少年王者舘『アサガオデン 劇場版』観る。 野外で行われたダンスパフォーマンスを、スズナリの劇場に。新たに落語を盛りこんだ。 振付・夕沈、演出・天野天街、音楽・珠水。生演奏・坂本弘道。落語台本・河井克夫。 呼ばれているのはアリスかとおもったら、…

「寺の符牒は噺家が考えたんじゃねえか?」  蒟蒻問答

『スペース・ゼロB1寄席』行く。出演は春風亭一猿、神田すず、三遊亭わん丈。 春風亭一猿のマクラで聴いた都電落語会の話に胸詰まる。 都電落語会の運営は林家こん平事務所によるもので、車内のことゆえ楽屋なく、演者のすぐそばに林家こん平師匠がいる。若…

「うしろ弁天まえ不動」

『吉祥寺寄席』行く。第55回。 登場したのは春風亭一猿、春風亭三朝、ゲストに栗林祐輔(能管。笛方森田流)。仲入あって八光亭春輔。 春風亭一猿、いまは前座だが5月に二ツ目昇進の由。演ったのは「半分垢」。 この噺はおもしろい。娯楽のすくない時代とい…

二〇二〇年に、二〇日連続公演をする由

桂文珍独演会『一期一笑 ジャパンツアー』行く。 開口一番は桂文五郎「延陽伯」。丁寧で標準語寄りな文珍師とちがい、はっきりした大阪のことば。熱演で、上方落語の会に来たんだあと嬉しくなる。 「延陽伯」は東京でいう「たらちね」。馬鹿丁寧な口調のおか…

毒蝮三太夫が席亭の『マムちゃん寄席』(第十五回)に。 出演は林家二楽(紙切)、松元ヒロ(漫談)、神田松之丞(講談)。仲入あってナイツ(漫才)、毒蝮三太夫と玉袋筋太郎の対談、さいごに春風亭一之輔(落語)と、豪華。 TBSラジオつながりと言うことも…