大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

カッター。

楽園王、長堀博士演出によるウジェーヌ・イヨネスコ『授業』観る。2004年の利賀演出家コンクールで優秀演出家賞を受賞し、再演をかさねている作品。 ダブルキャストのTEAM.Aを観劇した。教授は岩澤繭、マリーに小林奈保子。生徒1 日野あかり、生徒2 杉村誠…

「僕はやんちゃじゃないと思います。めちゃめちゃ真面目。それに、セクシーでもない」  平野紫耀

『ViVi』2020.3、「クラクラするまで平野紫耀」。 若き日の、木村拓哉のようなものだ。なにも、言うことがない。宿した色気を讃嘆するか、シッシするかのどちらかだろう。 批評を必要としない。ひとの願いや未来とも無縁。それが美しさなのだけれども、声を…

(実況者だけど リスナーの誰にも見せない秘密の部屋を作ってしまった)  『恋の実況配信はじめました』

さかもと麻乃『恋の実況配信はじめました』。ゲームなどの動画配信、その設定ならではの密室性をさらりと入れてくる。各話きちんと見せ場もある。甘酸っぱい十代。前戯よりももっと手前でみるせかい。 実況者の「ダクト」と「あめる」がすぐにはバディになっ…

「僕も何かを観て感動すると、まず歌舞伎に生かせないかな、と考えます」  市川染五郎

『婦人公論』2020.1.28。表紙は松本幸四郎、市川染五郎。そこからなにわ男子まで。賑々しくて良い号だった。 特集「さぁ、幸運を呼び込もう」はさまざまなひと。美輪明宏は「病院に限らず、思えば現代の日本は、情緒産業がすっかり衰退してしまいました」、 …

「天然で済めば僕も可愛いもんだなと。実際は天然じゃ済まないくらいなので。もっと勉強して、知識を増やしたいです」  岸優太

『シュプール』2020.2、岸優太。 シンメやカプといった愛でかたに倣うと、岸優太×岸優太というかんじ。だれかといるのもいいけれど、ひとりで立っているところも佳い。ドラマ『お兄ちゃん、ガチャ』の透明感や、Prince期・じぐいわのとなり、というおにいち…

〈彼らは二人で笑いあいつつ、ある共通の考えの中で次第次第に結びついていった。つまり、自分たちの性別の破壊という考えだ〉  ラシルド「ムッシュー・ヴィーナス」

シンポジウム「『フランスBL小説セレクション 特別な友情』刊行記念 仏文×BLのただならぬ関係」に行く。 このアンソロジー『特別な友情』は、映画『悲しみの天使』の原作であるロジェ・ペールフィット『特別な友情』の本邦初訳がウリなのだけど、抄訳にとど…

「ぼくはいったい何をカッコつけてたんですかねえ」

『BS笑点ドラマスペシャル第2弾 五代目 三遊亭圓楽』観る。 円楽を谷原章介、立川談志に駿河太郎。五代目円楽の堅苦しさ、談志の危なっかしいところがよくでている。 美談、失敗談のならぶ予定調和の青春物語に終わらず、社会と戦い、越えていく。 さいしょ…

〈日本はかくも狭い国である。運命もくそもないのである〉  西東三鬼

昭和十七年の冬、私は単身、東京の何もかもから脱走した。 さいしょの一行からゾクゾクする。逃げだす者がおぼえる陶酔を想うと昂奮してしまうのだ。 「私」は神戸にいた。〈街の背後の山へ吹き上げて来る海風は寒かったが、私は私自身の東京の歴史から解放…

純愛。騎士道的な。どこか虚言のけはいもある。

大人計画『キレイ〜神様と待ち合わせした女〜』を観て連想したのは『華麗なるギャツビー』。 《ケガレ》《まなざし》《花》といった。 成就しない。それなのに完成はある。

「なんだか、最近のお金持ちは宇宙に行きたがりますもんね(笑)」  松尾スズキ

松尾スズキがシアターコクーンの芸術監督に就任し、4度目の再演となるミュージカル『キレイ 神様と待ち合わせした女』。大人計画。初演の2000年から、ばしょはコクーンときまっている。 その歴史、関係性、初演執筆時のポテンシャル、モチベーションなどが旨…

〈街の空 空の街 空見れど 空見れど〉

少年王者舘『アサガオデン 劇場版』観る。 野外で行われたダンスパフォーマンスを、スズナリの劇場に。新たに落語を盛りこんだ。 振付・夕沈、演出・天野天街、音楽・珠水。生演奏・坂本弘道。落語台本・河井克夫。 呼ばれているのはアリスかとおもったら、…

「寺の符牒は噺家が考えたんじゃねえか?」  蒟蒻問答

『スペース・ゼロB1寄席』行く。出演は春風亭一猿、神田すず、三遊亭わん丈。 春風亭一猿のマクラで聴いた都電落語会の話に胸詰まる。 都電落語会の運営は林家こん平事務所によるもので、車内のことゆえ楽屋なく、演者のすぐそばに林家こん平師匠がいる。若…

〈迷うた道でそのまま泊る〉

大駱駝艦 天賦典式『のたれ○』観る。 集団で踊る。ソロとちがったユーモアが生まれる。『のたれ○』は種田山頭火の生涯を追った。 開演時間になると、客席通路に行乞の山頭火が現れた。それも五人。経を唱え、観客に銭をねだる。あちらこちらで。山頭火の厚か…

「眩しいなあ。夏の青い空がワチには眩しい」

『相対的浮世絵』観る。脚本・土田英生。初演は2004年。 2010年に再演。そして今回の2019年。 中年期を迎えた同窓の男二人のもとに、高校時代に亡くした旧友と、弟が現れるようになる。おばけとか幽霊というふうに呼ばれるのはいやがるが、どうやらそういう…

険しい若者の顔はなく、あどけない。幼時をのこしたまなざしが愛しい。 『アンアン』2019.11.20、岸優太。「正直、『アンアン』の表紙は、30代くらいに決めたいと思っていたので、“まだ、色気発展途上の今でいいの?”と驚きました」にはじまって、でてくるこ…

伸縮自在の人食い虎

先行くものを想うから、虚構は生まれる。オマージュと奇想。 ITOプロジェクトによる「糸あやつり人形芝居『高丘親王航海記』」を観た。原作は澁澤龍彦の小説。脚本・演出、天野天街。 おかしな話である。澁澤龍彦がおかしいのか、天野天街がおかしいのか、人…

種田山頭火賞受賞のハナシやそこから生まれる『のたれ○』のことなど

『舞踏の生まれるところ 麿赤兒と大駱駝艦 武蔵野文化』に行く。インタビュアー鈴木理映子。成蹊学園本館大講堂。 成蹊大学に新設される芸術文化行政コースのPRの一環として、吉祥寺にスタジオをかまえる麿赤兒にも話が回ってきた。 「白塗りで自転車に乗っ…

「人間、どこかで寂しさを持っていないと人間になれないでしょ」  鬼海弘雄

平凡社。写真家・鬼海弘雄の対話集。となりに山岡淳一郎。 「はじめに」で鬼海は〈自分の歩幅を守り続けるのは、簡単なようで難しい。どのようにして歩幅を保ってきたかは、それぞれの対話に語られている。キーワードの一つは「旅」だ〉と記す。ゆるやかなが…

「映画はまだ慣れません。余裕なんてなくて、がむしゃらにやっています」  平野紫耀

『Komachi』2019.9。女性的にしっかりしたメイクが、アミ・アレクサンドル・マテュッシのおおきな薔薇のセーターと合う。若くて、清潔。セーターの価格は10万円ちょっと。 “岸優太くんにジャンケンなしでおごらせたい” 岸くんは先輩なのにジャンケンで負けな…

「地球に隕石が衝突したはずみで毒ガスが発生した。ガスは毒の雨となって海に降り注いだ。(……)戦う前から詰んでいたのだ」  モササウルス

『続 わけあって絶滅しました。』丸山貴史、著。絵はサトウマサノリ、ウエタケヨーコ、北澤平祐。監修、今泉忠明。 絶滅を引き起こす最大の理由。それは「環境の変化」です。 (……) 「強い」「弱い」は環境によって変わります。 だから、どんな生き物が生き…

電車を乗り換えるときに、買った

King & Princeが載った『andGIRL』2018.11を買ったという記録はあるのに、ひらいた記憶がない。いつからじぶんの時間をとれなくなってるのかわからない。ジャニーズに触れていないと思考が、ことばが欠けはじめる。 『andGIRL』2019年10月号。あかるい笑顔。…

「トオルってさ 言いたいことあると黙るよな いつもすごいしゃべるのに」

行為をえがかないBLかな、とおもって読みはじめた。 絵は、写実的ではないけれど色気がある。骨が太く、おとこの膚の匂いがする。タイトルは『てだれもんら』。手練の者たちということだ。日本の料理人と、庭師。 週末に、ひとつの部屋で寝るものの、えがか…

「売春婦がつぎつぎにころされる 事件が クリスマスシーズンに起こった」

『ロンドン・ロード ある殺人に関する証言』(2015)。 2011年初演のミュージカルを映画化。スリリングなつくりに、にやりとする。 イプスウィッチ連続殺人事件と検索すればでてくる実際の事件、その狂騒や差別がすぐ目のまえのことのようだ。 えがかれるの…

「じぶんの死を想像して生きようともがけば、どんなことでも成し遂げられるはず」

「体当たりの演技が売りじゃなかったのか」 「演じることが怖いから、何にでも挑戦しただけよ」 『ファング一家の奇想天外な秘密』(2015)。原作はケヴィン・ウィルソンの小説『ファング一家の奇想天外な謎めいた生活』。 なにしろキャストが佳い。ニコール…

〈霧のなかでは 秘密の友だち〉

音楽劇『あらしのよるに』観る。 主演は渡部豪太(ガブ)と福本莉子(メイ)。オオカミのリーダー・ギロに高田恵篤、おばさんヤギに平田敦子。 演劇は、おもしろい。高田恵篤のようにアングラを演り、シェイクスピア劇(それも、野村萬斎の)を演り、ファミ…

「誰もいない海に行きたいです」  新田真剣佑

きれいというのは、おちついていて、あどけないこと。そのあどけなさを青年期にも温存している。 『Ray』2019.9。表紙と記事に、新田真剣佑。 新田真剣佑の記事に触れるたび震えるのは、インドアなのに交遊をひろげているところ。好奇心旺盛。それを、あちら…

「これ、食えって?」

コナリミサトの原作は、ひとつのばめんに「いやなこと」と「いいこと」を盛りこんでくる。そのために物語は途切れない。事態が好転するのを信じて読み進める。 誇張をしなくてもヒトはイビツで、だからヒトと触れあうセックスや恋愛には抗しがたいものがある…

「木南さんのせりふに『寝顔が美しい』とあるので、最近パックもしています(笑)」

家事に類することがひとつ片づいたので、深夜のコンビニに行って雑誌を購入。 『テレビライフ首都圏版 2019年 8/2 号 [雑誌]』と、『MORE(モア)2019年8月号 付録:uka 美髪パドルブラシ』。 『TVLIFE』の山田涼介がとてもきれい。山田涼介を好きな友人が、王…

「半人前でも、三人揃えばなんとかなるっしょ」

週末のお楽しみ、大野拓朗主演のドラマ『ベビーシッター・ギン!』。あつかう世界が嘘でなく、陰惨でもなくがんばって生きようという気になる。 第3話。脚本、嶋田うれ葉。 公式はネタバレを避けているけれど、捨て子をめぐる凄い話なので、大胆に告知するの…

アレクサンドリア、世界の結び目。

「ナショナル・シアター・ライブ」の『アントニーとクレオパトラ』(2018)、二人の死が語られるラストを冒頭にもってきたので、おどろいた。そういういじりかたを、予想していなかった。 『アントニーとクレオパトラ』が書かれたのは四代悲劇のあと、比較的…