大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

吉祥寺寄席、行く。第45回。「春雪のみぎり、情感あふれる胡弓の音色と落語!」
春風亭朝也「やかんなめ」、高橋翠秋による胡弓、五街道雲助「夜鷹そば屋」。


朝也「やかんなめ」は十八番。昨年のNHK新人演芸大賞を獲ったネタでもある。女性が禿頭をベロベロ舐めるという噺で、下品といえば下品。そういうものも芸のうち、と理解のある小屋のほうが一体感は凄かったかもしれない。吉祥寺では客席をほぐすマクラにも時間を掛け、沸かせつつも苦戦していたかも。


胡弓、高橋翠秋。その音色、またトークをもっと伺っていたかった。翠秋さんは質問攻めに遭っていた。それはみんなどこかで胡弓を、和楽器を知っているから。
三河萬歳についてとか、二胡との違いとか。
滅びつつある楽器ではある。


五街道雲助「夜鷹そば屋」。珍しい噺をかけてきた。調べると新作、改作のたぐい。
人情噺だ。涙の匂いしかしない喜劇というか。設定は、はっきりしている。子宝にめぐまれなかった老夫婦。そのそば屋を訪れる、若い男。
聴き手の予想を外れることはない。そこまでの道のりに、「夜鷹そば屋」には「夜鷹そば屋」のものがある。ぼろ泣き。