渋谷らくご行く。柳亭小痴楽、柳家喜多八、玉川奈々福/沢村豊子、春風亭一之輔。
小痴楽「風呂敷」、
喜多八「粗忽の釘」、
玉川奈々福は正岡容原作の「浪花節更紗」、
一之輔「唐茄子屋政談」。
小痴楽のマクラは、小痴楽を知らないひとに向けてつくられているので、おなじマクラならともかく、ちがうマクラだともっとべつなパターンを聴きたいとおもってしまう。
持ち時間30分。それに合わせてマクラと噺を膨らませたのは健闘。じつのところ、短いなかできびきびした小痴楽を観るほうが快楽は大きい。
柳家喜多八。なぜか立川談志をdisる。ある種の異端児。近親憎悪。テレビを嫌うことをしっかりステータスにできた数少ない芸人が、立川談志だ。しかも売れた。
喜多八の「粗忽の釘」はいいかんじに無能で、それが色気になっているという。おとこのうつくしさ。
玉川奈々福の演った「浪花節更紗」。師匠を選ぶということ、べつの師匠に見いだされるということ。人生の妙。物語ればおもしろい。
春風亭一之輔の「唐茄子屋政談」は、アニメーション映画をおもわせる後日談がよろしく。登場人物もコミカルになっていた。そのぶん不幸や哀しみをえがくのが不得手な語り口ではある。