大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

〈恐怖のアトラクション化を成立させている絶対的な条件とは何だろう?/それは、「信頼」である〉

お化け屋敷になぜ人は並ぶのか 「恐怖」で集客するビジネスの企画発想 (oneテーマ21)

人は怖いものを見ると、それを避けようとして距離を取り、関わりを避けようとする。けれど、距離を取られてしまうと、本当に怖い演出を体験できなくなってしまう。
そこで思いついたのが、お客様に何かを持たせたり、何かの任務を与えるという方法だった。お客様が避けようと思っても、どうしても避けられない状況を作ってしまえばよいと考えたのだ。

お客様に演技を強いないということ。お化け屋敷が演劇的な空間になると、どうしてもお客様に演技を要求したくなってしまう。けれど、それはデリケートな領域である。

五味弘文『お化け屋敷になぜ人は並ぶのか 「恐怖」で集客するビジネスの企画発想 (oneテーマ21)』。お化け屋敷は《怖い》だけではない。《楽しさ》がある。それが真夜中の廃病院との違いだと言う。

お化け屋敷では必ず何かが現れる、ということが前提になっている。

この《現れる》ということ。《楽しさ》。お化け屋敷プロデューサー・五味弘文の仕事は1992年からはじまる。
その頃といえば、〈何年も手を加えられておらず、完全にバブルの時代に取り残された施設だった。誰もが子供だましのアトラクションというように考えていて、大人が真剣に楽しむようなものではなかった〉。
〈当時はキャストが驚かすお化け屋敷は、日本じゅうで数えるくらいしかなかった〉
作り物のお化けが続いたあとに、古井戸からキャストの扮する白装束の幽霊が現れた。そのダイレクトな面白さが、麿赤児麿赤兒)との仕事、「パノラマ怪奇館」のプロデュースになる。企画は楳図かずお林海象デーモン小暮とかさねられ、お化け屋敷は息を吹きかえす。