大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「ノンケのかたは想像できないような『楽園』がそこにはひろがっているんです」

発信、拡散に秀でたネットワークが発達し、めいめいがプロレスラーとして虚実皮膜を生きることになるのかとおもいきや、利用者の多くはその豊潤な装置をコミュニケーションツールとしてのみ用いている。あるいは匿名性、観客性を保ったまま被写体をネタ化していく。
ネタ化もマジレスも《プロレス》の滋養となるのだから、たくさんのヒトが現実の《プロレス》に気づかないでいてくれたぶんだけ深奥にとっては都合がいい。
「僕がゲイかどうかはご想像にお任せします」と言ってしまえばどこまで行っても《プロレス的》であり、「僕はゲイです」と断定して初めて《プロレス》の可能性が生まれる。
「ゲイ」のサムソン高橋が自称する「モテない」にリアクションをとったときヒトはもう《プロレス》に呑まれている。


『クレイジージャーニー』、サムソン高橋の回。のっけから独霧めいた毒舌。
「日本でちょっとあまりにもモテないから『海外に行ったら何とかなるかな』っていう、ちょっと、日本のブサイクな女性の人とおなじような甘い考えで」海外のハッテン場を巡りはじめたのだと。
「日本の女性が海外に行ってモテるっていうのは、あの、こういう、ちょっと、言葉が駄目かもしれないですけど、『おサセ』としてモテているような感じがして。……ゲイの場合はみんながみんな割と『おサセ』なんで、『おサセ』としての希少価値はないに等しい」


タイの野外ハッテン場。それからハッテンサウナ「バビロン」。

おじさんのね、平泳ぎの開脚を見ながら、ここでワインをすするっていう。これ以上のパラダイスはあるでしょうか世の中に。