大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

〈俺は多分 罰する神じゃなくて……許して救う神だ!〉

七福神の大黒くん?
大黒様の描かれた小皿がほしいとさがしていたら、青沼貴子の新刊。
七福神の大黒くん?』。青沼貴子といえば『ペルシャがすき!』にはじまり『ママはぽよぽよザウルスがお好き』を経て『青沼さん、BL漫画家をこっそりめざす。』と、たとえばそういう要約ができて、時代と寝ているかどうかはともかく、正直。《萌え》などの記号的、部分的な告白でなく《ありのまま》。エッセイズムという言葉をおもいだす。
キャラクターの立てかた、手ばやく呑みこませる力。さすがとおもう。かんたんすぎるのオールドファッションのと言うこともない。書き手として生きていて、ドラマを信じているところ、こちらの胸が温かくなる。
「う〜ん 人間が幸せそうなのはいいものだねえ」という台詞がでてくるのだけど、ひとの幸せを愛することができたり、愛することをススメてみたりしても臭くならないのがフィクションの魅力。アイドルのファンになる、ファンでいるのは不幸よりも幸せを見たいから。