「欲しいのは きみの思い出だ」

　『ウォーム・ボディーズ』、2013年の映画。ゾンビ・ミーツ・ガールの謳い文句どおりなところもあるけれど、やや拉致監禁の気味があり、深く触れ得ない点でシザーハンズ、フランケンシュタインのクリーチャー。ふつうにかんがえれば「キモい」。
だから、ゾンビのＲ（ニコラス・ホルト）は「キモいのはダメ、キモいのはダメ、キモいのはダメ……」と自戒しながら接しかたをえらぶ。
さらわれてきたジュリー（テリーサ・パーマー）の「おなか空いた」とか「それ禁止」がおんなの子らしくてとても好い。生者の論理だ。
監督、ジョナサン・レヴィン。キャストにジョン・マルコヴィッチも。

ゾンビはねむらない。夢を見ない。Ｒは夢を見たい。
「そんなことないわ。望めばどんなことも叶う。そうでしょ？」