大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「あなたは入館できますが、連れは駄目です。許可が下りていない」「善良な人たちよ」「人間のクズだ。クズは通せません。絶対に」「あなた、奥さんが逃げるはずね」

4分間のピアニスト [DVD]
4分間のピアニスト [DVD] おんなの子が苦しんでいるのを見るとかなしくて涙がでてくる。この映画は、刑務所にいる荒(すさ)んだ心身のおんなの子が主人公で、それだけだと、ひたすらにかなしい。
けれど、ひとに関心をもたない、皮肉屋の老ピアノ教師がここにいる。「良い人間」にしようというのではない。「良いピアニスト」にしようと提案する。
老いたピアノのクリューガー先生(モニカ・ブライプトロイ)、音楽以外のことには目もくれないから、他人を傷つけたりもする。それでへいき。このつめたいいじわるが、映画を心地良いものにしている。多感なヒロインの暴発を、やわらげてくれている。
ヒロインであるジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)のピアノを聴くたびに、クリューガー先生の脳裏に過去がよみがえる。若かったころ。同性との親密な関係。


2006年の映画。監督、クリス・クラウス