大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「この外見なら 中身が誰だって構わないんだな」

ようこそニューワールド (BABYコミックス)
コモトミ裕間『ようこそニューワールド (BABYコミックス)』。絵はやや古く、未熟だけれどもおもしろかったしエロかった。意趣返し、リバ、目覚め。正義と悪がないまぜになっている。愛することや征服することのむずかしさ。

俺がわざわざ“アノ写真”ちらつかせるようなお膳立てしないといけないわけ?
がんばってここまでこれたんじゃない
もう言い訳もプライドもいらないからさ

どうするの?

表題作のシリーズではアイドルが長身のモデルを翻弄する。言葉攻め、という語に囚われたひとが陥りがちな表面上のものでなく、気質としての鬼畜が好い。
モデルに振られた「脇役」に焦点を当てた一話も良い。ノースフェイスのカバンの脇役君。嫉妬するのは筋違いだと分かってる。だけど苦しいし悲しい。その感情まで喰って育つアイドル・ルカが怖い。
ほかにヤンキー同士の「ヤンキーズシンコペーション」、安部公房箱男』リスペクトの「ハコオ。」、バンドマンの同級生でストーカーでという「Please show me」。
この、「ハコオ。」と「Please show me」にわすれがたい密度とと偏執あり。
着ぐるみ、被りものが好きなので箱物の「アベさん」を異様にかんじることなく愛しい。
「Please show me」、「まさかマジもんのストーカーだとは思わなかったけど」「キ…キモいよね…」「自覚はあんだな──あはは 嫌だったらちんこなんか舐めさせねぇけどな」
バンドマン、クリエイティブ系あるあるというか。
愛してくれるひとを愛する。