立ちどまって、芸がはじまる。

　
20周年記念イベント目白押しの高円寺U.F.O.CLUB。「発狂天国 vol.70」、鳥肌実、クリトリック・リス。
二枚目電波系だった鳥肌実はいつの間にかに激太りして、それは劣化だ劣化だと世間はもちろん言うのだけれど、鳥肌実はぶきみに肥ったビジュアルや大変にうすくなった頭髪に自覚的で、ネタにして、芸域はひろがった。美しさや成功は、なかなか笑いに持っていけないから、常識を転倒するのみでワンパターンになりがちな放送禁止の悪態芸だけでなくなったことは勝機かもしれない。
時事とパネル芸。ベッキー。オリンピック。サッカーその他。

「セックス　ドラッグ　金が要る！　ああロックンローラーになれねえ！」（「I LOVE ROCK'N'ROLL」）
クリトリック・リスは1969年生まれ。30代でパフォーマンスをはじめる。坊主頭でパンツ一丁。怪しい風体はサブカル的である以上にプロレス的ショーマンシップと覚悟だ。いかがわしいのに、泣けてしまう。客との距離が近いんだ。うたわれる家族の関係が濃いんだ。
クリトリック・リスはホームタウンの大阪でどのように受け容れられているのか。東京で観た。だから、レトロフューチャー。ラテンの熱。魔術性。