大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

〈自戒した俺よ 忘れるなよ〉  上京まで

SUPER NATURAL (Canna Comics)
絵津鼓『SUPER NATURAL (Canna Comics)』。ふしぎと遠くて、なつかしい。学園物はにがてだけれど、職業や将来をわすれてはいられない専門学校が舞台のせいか、かなしく澄んでいる。美容科。関西弁で。みごとに標準語的な日常から切り離されている。
そういうばしょで、将来のことをかんがえないようにしているテキトーな、だけどだれかに恋するこころだけある男子ノブル。これはいやらしい。
ノブルが気にしているのはいさましい? ちびの大地。真面目で、負けず嫌い。大地が課題に取り組んでいたり女子と仲良くしたりするのがノブルはいやだ。この、どうしようもないかんじ。振り向かせるために何かするでもないかんじ。せつなく、いやらしい。

髪さわるとかそんくらい 1年のときしょっちゅうやったのに
あの頃に戻れたら 苦労はない
好きかもとか思ってごめん
こんな気持ち失くなるように
俺は俺で葛藤してんねん

おだやかなあいてのにおいがする。さいごまで行くけれど、どぎつくはない。にもかかわらず「アトガキ」のやりとり、ものつくることのむずかしさ。
担当さん「絵津鼓さん ご家族も本、読まれるそうですが い、いいんですか?! もちろんエロあったら嬉しいんですけど!!」
絵津鼓「家族や友人に読まれること前提にしてたら何も描けないですよ!!! って小池一夫先生がおっしゃってました」