大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

殺意? 差別の物語

パージ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
『パージ』、2013年の映画。イーサン・ホーク主演、ジェームズ・デモナコ監督。
「ドミトリアム(学生寮)じゃないんだぞ」とか「『パージ』の良い部分だけをかんがえなさい」とか。「我我にパージさせろ」とか。台詞が好い。登場人物の性格がしっかりでている。
一年のうち十二時間だけ、すべての犯罪が許されるという二〇二二年のアメリカ。この導入はホラーでなくSFだ。どんなフィクションも「ありえない」と言えばありえないのだけれども、登場人物が抵抗することで、世界は現実味を帯びてくる。
「パージの日」にセキュリティの完全な家に立て籠もる四人の家族。単に外部と戦うといった「熱い」話ではなくて、入りこんじゃってたり、入れちゃったり。
黒人のホームレスを入れちゃうのは長男のチャーリー(マックス・バークホルダー)。神経質だが、善良なのだ。
長女(アデレード・ケイン)、その恋人のヘンリー(トニー・オーラー)のどちらも若くて清潔でエロティックでこのテの恐怖を煽る映画に相応しい。
極限の状況で、どこまでじぶんにエゴをゆるすか。そうかんがえるとむずかしい。
どこまでころしてもいいのか。またいけないのか。