大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

ひとつひとつ可能にしていく。ひとがそのように積みあげているとおもわなければ罪の意識が生まれるだろう。神や呪いに頼るだろう。けれども罪の意識の及ばぬところであんがいひとは生きているもの。


『オデッセイ』観た。長編の印象だが、だれない。展開に流されることなく登場人物たちが決断するから。
NASAの長官(ジェフ・ダニエルズ)がかならず悪の立場というわけではないし、ヘルメスの船長(ジェシカ・チャステイン)がぜったい反逆者というのでもない。その都度その都度の判断がある。妥協もある。反発もある。その辺りは原作の小説を圧縮しているせいなのか、それぞれ立場に幅があり、組織のだれも愛しい。
とりのこされた火星の人、マーク・トワニーを演じるマット・デイモンの、おっさんの色気。その肉体に巣食う若若しさ。にんげんには幅もあるし、矛盾というか、合成獣のようなところもある。制御できない豊かさがある。それはただの極限状況では表現できなくて、宇宙飛行士みたいに知力体力備わって初めてかたちにできるものかもしれない。
生理的にミもフタもない描きかたが、リドリー・スコット監督らしくて佳い。遠くの恐怖がすぐそこの出来事になる。