「親不孝が怖くて自分の人生が生きられるか!」というセリフでクライマックスを迎えるエッセイマンガ『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』。タイトルはなんだかシスヘテロの女性が原稿料のため未体験ゾーンに潜入、暴露するふうだけれども、作者の永田カビには女性へのあこがれがあるし、あれこれ漁色するわけでもない。
性風俗だから、初めて会ったひとと寝ることとなるのだけど、そこまでの道のりや内省、着地は恋物語のように丁寧。そのことにこころをうばわれた。
〈私はバイト先に「何があっても私を認めてくれる居場所」である事を求めていた〉──そういうものを学校や家庭で得ることなく育ってきた「私」。〈ボロボロになっていく事はうれしかった〉
「性」の扉をこじあける。
行けないと思っていた大陸が
昨夜、地続きになったのだ
呼吸がしやすい
まだ予約もしてないけど
ドキドキして動かずにおれない