大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

走ること。逃げること。その美しさもまた、ドラマである。

メイズ・ランナー (字幕版)
ちゃんと見なくてもなにが起こっているかわかる映画は多く、ちゃんと見ないとわからない映画も多い。『メイズ・ランナー』(2014)は、ちゃんと見てるとなにが起こっているかちゃんとわかる映画。ウェス・ボール監督。イキがいい。ここには行動だけがある。
SFジュブナイル。「ゲートが閉まる」「禁忌がある」「襲われる」といった辺り、おとこの子のための物語だなあとおもう。おんなの子のでる幕がない。おんなの子は観客になる。キャストは当然イケメンを揃える。
主人公トーマス(ディラン・オブライエン)はびっくりするくらい閉域の和を乱す。行動的なのだ。古株たちは現状維持で落ち着いていた。


ランナーを束ねるミンホ(キー・ホン・リー)。印象としてはいちばんモダン。逞しく、理解力があって、優しい。
サブリーダーのニュートを演じるトーマス・サングスターは『トリスタンとイゾルデ』や『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』でも美しかった。


ギャリー(ウィル・ポールター)はクソみたいに保守的だが、そののがれがたい保守性がせつない。
「迷路が家だ。皆の家だ(I belong to the maze. We all do)」という。諦念にちかい。ゲーム、というものをわからない。命を賭けられない。そういうキャラクター。