大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

インゲボルク・バッハマン全詩集

わたしは 雪となって 枝々からぶら下がる
谷の春のなかへと、
冷たい泉となって わたしは 風のなかを流れる、
濡れて わたしは 花たちのなかに落ちる
一滴となって、
そのまわりで 花たちは腐る
沼地のまわりのように。
わたしは 絶えず・死ぬことを・考えること だ。

わたしは飛ぶ、わたしは落ち着いて歩くことはできないから、
あらゆる天の安全な建物たちを通り抜け
そして柱たちをひき倒す そして中が空ろな塀たちを。
わたしは警告する、わたしは夜には眠れないのだから、
他の者たちに 海の遠いざわめきでもって。
わたしは滝の口のなかへ上っていく、
そして山々から わたしはごろごろいう岩屑を解き放す。

わたしは 大きな世界不安の子だ、
それは平和と喜びのなかへぶら下がる
昼の歩みのなかにぶら下がる鐘の音のように
そして熟した畑のなかにぶら下がる大鎌のように。

わたしは 絶えず・死ぬことを・考えること だ。

インゲボルク・バッハマン『インゲボルク・バッハマン全詩集』。