大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「こんなんラッキーパンチやないかい。ラッキーでモノゴトがくつがえるか!」

いけちゃんとぼく
いけちゃんとぼく (角川文庫) 「きょうはついに一発殴り返せたね。記念すべき日だよ。帰り道だって泣いてなくて、ずっと怒ってた」
映画『いけちゃんとぼく』(2009)。原作は西原理恵子。モノローグ、セリフのひとつひとつが胸に沁みる。

見えたのは、ワンピースいっちょで泳ぎまくるおばちゃんたちのズロースで、ふとった金魚みたいで、きれいだった。

なんてこった! ぼくは生死の境をさまよったというのに、世界は何ひとつ変わってない。

影と競争する。はやく家につく。

夏を過ぎた男の子は、田舎の匂いがする。

独りの心で研(みが)いた詩だ。ここにはコンテクストとかコンテンツといった偽史、贋金の臭いがない。偽史、贋金にも魅力はあるけど、それならそれでそのニセっぷりを誇張せねばならないから、このような詩を成すことはできない。
ぼく・ヨシオの役に深澤嵐。両親にともさかりえ萩原聖人。となりのお姉さんに蓮佛美沙子、そのカレシに柄本時生。牛乳屋さん=熊殺しにモト冬樹。大学生になった「ぼく」は池松壮亮。いけちゃんの声、蒼井優