沖縄、高校生にも人気のある弁当屋。音をだせる環境がなくて困っている高校生たちのバンド活動を知って無料のスタジオをつくる陽(阿部寛)。いいひとなんだが一寸無愛想だし説明がすくない。だから十代のおんなの子とも衝突したまんまだし、勝手に借金して妻(ミムラ)に責められる。
「わからない。どうしてそこまでするの? 他人のために」
「他人だからさ」
「は?」
「昔は、お金なんか払わなくても色んなひとが色んなことを教えてくれた。そういうばしょもいっぱいあった。うちも貧乏だったけど、色んなひとが助けてくれた。今の若い連中には、それがないわけよ。そういうの放っておきたくないんだよ」
『天国からのエール』(2011)。宣材やタイトルからはなかなかわからないがマギレもなく十代の映画。
桜庭ななみ、森崎ウィン、野村周平、矢野聖人ほか。
地元誌に「みんなプロ目指してるんですか?」と訊かれて「いやあそれはどうでもいいんです。ヒトとして社会にでてって、普通に社会人としてやっていける。基本を学ぶところなんです」。