大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「私は親の愛に飢えていた。親たちもそうだったんだ。代々そうなんだが、あけっぴろげに愛情を表現する能力がない」

プレイボーイ・インタビュー“記事を読むための雑誌”
『プレイボーイ 〜創刊者ヒュー・ヘフナーの物語〜』はおもしろい。繰りかえし観る。売るために雑誌を創刊するのだから単に不道徳や反権力であるというのではだめで、真ん真ん中に立たねばならない。
そのためにノーマ・ジーン(マリリン・モンロー)のヌード写真の権利を買い、誌名もマスコットキャラクターも変更、「雑誌に信頼を付与する人物」として『ニューヨーカー』出身の編集者オーガステ・コンテ・スペクトルスキを雇うなど、拡充の方途が大胆で、わくわくする。
「スペック(スペクトルスキ)を雇ったのは英断だね。雑誌が成熟できたのはかれのおかげだが、雑誌に成熟が必要だと理解していたヘフナーも凄い」という証言も。


創刊時は戦勝国アメリカの黄金期。1950年代につくられた映画や小説、またその時代をあつかったものをおもうとヒュー・ヘフナーの発刊の辞「狩猟や釣りやスポーツは本誌では特集しない。ジャズやカクテル、ピカソについて話そう」が熱い。保守的でマイホーム主義者の男たちは流行の音楽や美術、映画、文学の話なんてしなかった。