大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

美しさ。物語。発見。

息をとめて、うごかないで (ビーボーイコミックスデラックス)
表紙の子が、美しい。麗しく受、となれば当然荒廃していて物語をもつことができず、ヒロインとして《騎士》をこいねがうほかないのだけれど、ロマンチックに待つよりも《騎士》の側から発見する話のほうが読み手としては胸が高鳴る。
出逢う二人にはコントラストが必要だ。《騎士》は美しさを欠いている。一時的に。これが、どこまでも欠いているということになると一寸ハナシにならぬので、書き手は《騎士》にざくりと一撃して欠損をつくりだす。
荒井よしみ『息をとめて、うごかないで (ビーボーイコミックスデラックス)』。話の運びが巧い。先ず誘惑のばめん。そこからさかのぼって、ひととの接しかたに難のある《騎士》の「似顔絵 描きます」。
二面性とか多重性とか切断面。そういうところも荒井よしみは凄くて、オクテのようでビッチな描写、発情と愛情、攻と受のまなざしのちがいなど、どえらい仕事をしている。
ビッチにもある背伸びや虚栄心、この辺りもきっちりと絵にしている。
ショックでした。