大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「引っつかんで来ちまったが、あんたはまだちっちゃいし、母さん父さんさぞかし心配しとるだろうな」「わたしには両親いないのよ」

BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント (吹替版)
『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(2016)、原作ロアルド・ダール、脚本は『E.T.』のメリッサ・マシスンというところから、スティーヴン・スピルバーグ監督の思い入れがはじまる。
ロアルド・ダールのおかしな小説を、ティム・バートン方向でなく、まあまあマトモな映像世界としてかたちにしてくれて、嬉しい。ナンセンスで、夢みたいな稚気あふれるコトバでできたロアルド・ダールの小説だけど、それはサイケデリックなものではなくて落ち着いているし、やや残酷だが、辺り構わずの残酷さだから脚本が適度に刈りこんだのは正解。要約っぽさがないのは凄い。
《祖父》や《おじいさん》との関係をこういうふうなフィクションに仕立てたらいいのかと感動し反省した。年配のにんげんに対して壁をつくって生きてきたから。
かれらは年をとったために万能でなくなったわけでなく、かれらもぼくたち同様万能ではない。そういう近さを見てこなかった。


映画は、クライマックスとなる女王陛下との謁見から一気に加速する。このおもしろさが序盤からあればとおもったけれど、そこまでは「言いまつがい」を楽しみながらじわじわと。