大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「あそこのクラブハウスの、エビフライ……ぱふぱふしてて、少し締まりがなかったでしょう?」「社長。長野でエビフライを注文するほうが悪いんじゃあ……」

僕達急行 A列車で行こう
僕達急行 A列車で行こう [DVD] 森田芳光監督作品。監督が亡くなったあとに森田組のつくった『の・ようなもの のようなもの』を観はじめたら、引っかかることのない流暢な会話がつづいて「あ、コレジャナイ……」。
『の・ようなもの のようなもの』は一旦置いて、『僕達急行 A列車で行こう』(2012年公開。遺作)を観よう。
森田芳光監督の映画が気持良いのは綺麗なカット割りと時空を無視したカットイン、さらに奇妙な効果音で「現実」をスクラッチしていくところ。ひとびとの台詞も綺麗で奇妙でまるで噛みあわず、非標準語的な自己主張が行き交っている。
登場人物たちはそれぞれに自己を深く伸ばしていくから高みに到達することはなくて、安定しているけれど一寸偏屈なものとなる。
それでこのせかいのおとこたちは色っぽい。まわりが安心するようなテンプレの家族をもっていない。


『僕達急行 A列車で行こう』はたぶんBL。瑛太×松山ケンイチ伊藤克信三上市朗笹野高史西岡徳馬伊武雅刀も戸谷公人も鈴木亮平ピエール瀧もおとこの皮膚の匂いを放つ。