大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

ポルトガル物語 漁師町の春夏秋冬 (KanKanTrip Life 1)

えっ、えっ、とびっくりしたり呆れたりして日々が過ぎ、
やがてその驚きの暮らしの中にいつの間にかとけ込んでいくのである。

青目海『ポルトガル物語 漁師町の春夏秋冬 (KanKanTrip Life 1)』。
ところ変われば感覚がちがってくる。

アルガルベには、ひとっこひとりいない秘密のビーチがいたる所にあり、新しい場所を見つけると、それぞれが勝手に名前をつけたり、あるいは誰にも教えずに、親しい友達だけを連れて行って驚かせたりした。

「新しく買った家の藤の花が素晴らしいんだ、見に来てよ」と、イギリス人画家のピアーズから誘いがあった。彼はこの町の古い家に魅せられ、十数軒も家を持っていた。子供がおもちゃに夢中になるように新しい家を買っては修理に明け暮れ、その間は絵も描かない。

ポルトガル語がしゃべれるようになっても使いみちがないのである。ポルトガル人の友達はほとんどいないし、外国人の友達は誰もポルトガル語を話せない。市場や町での買い物程度の言葉は不自由なかったし、コミュニケーションをとるにはポルトガル語より漁師町の共通語だった英語が必要だったのである。