この読後感の良さはなんだろう。ジョゼ『from 2DK』。3編。それぞれに描き下ろしのみじかい後日譚。
BLだからこそ、まだゲイ関係にないおとこの子たちの同居生活をえがける。なにも起こらないのに、クローズアップされる。描写される。
ひとと暮らすのに、きちんとしている必要はない。1話目の「トマトとシソとマヨネーズ」は家事をまったくしない室内パンイチ派のおとこの子。こどもじみたところが愛しい。
屋内における生活能力の無さがアリかナシかで、この物語の展開を追えるかどうか変わってくるかもしれない。
同居の解消を宣告されるパンイチのウメ。
「…もし今オレが出てかなくても 一生一緒にいられるワケじゃないのお前理解(わか)ってるだろ」
「え? 寛ちゃんオレより先に死ぬ気?」
「バカ」
2話目は「シャツとシーツと洗濯機」。
“部屋とYシャツと私”みたいなかんじに3話目も名詞3つならべるのかなとおもっていたらつぎは「ソファとエス」。巧い。
「ソファとエス」は大学内にルームメイト募集の掲示がされるところからはじまる。スポーツマンタイプの二枚目と、チャラい系の美男。異なる属性を綺麗に描き分けている。
「大原って痛いの好きな人?」「は?」「もしかしてこないだもそれで…」「そんなワケないでしょう」