大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

女子的 志尊淳

志尊淳主演の『女子的生活』第1話、脚本も演技も佳かった。NHKとマイノリティの相性は好くて、マイナーなひとたちをあつかう番組を観ていると、親しい知人と飲んでいるような気持ち。
志尊淳は、スタッフに愛されているよね。期待されて、それに応える。キャッチボールがうまくできているからユニークな役がつぎつぎ回ってくるんだとおもう。
志尊淳が個性派と呼ばれないところに現代の多様な柔軟性をみる。努力というものにも自然体がもとめられるむずかしい時代になってきたなあともかんじるけれども。


羽場裕一の演じる上司の、微妙に変態だが社会の端をあるいているわけではなくてそこそこに保守、それでも経済や色恋でチャンスがあれば逃したくないという若ければ単なるゲスだが加齢による愛嬌もあってまわりに許されているキャラクターがすげえとおもった。先ず脚本が登場人物皆に優しいのだろう。それを俳優陣がきちんと汲めている。
志尊淳の役どころもトランスジェンダーレズビアン(そのアイディンティティが、物語のなかでどう転がっていくのかまだわからないが!)となかなか複雑だが、尺もとらず説明し過ぎることもなく小気味好く展開する。共演の町田啓太のシスヘテロ男性っぽさが功奏してもいて(劇団EXILEと知って得心)、わからないなりにとにかくいっしょに進んでいくところ、好い。それが社会だし。わかる者同士で容易につながってしまう十代の書きそうな青春物語とは一線を画している。
みき(志尊淳)とゆい(小芝風花)の関係はまさに青春で感傷的で、みきはこれに「遊び」と名づけて終わりにしようとする。