大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「根っからの自由人というわけか……」

『ヘッドハンター』、伊武雅刀の出演回。傾いてきた旅館の後継者さがし。旅館だって中小企業なので、ヘッドハンティングの機会もでてくる。
多様な宿泊客をあいてにしているからフラットなのかとおもいきや、旅館の大旦那はヘッドハンター黒澤(江口洋介)のノーネクタイを指摘してくる。老舗ゆえか。多様な客をあいてにしていればこそ、か。
どうもこの大旦那、ネクタイを吊るした男たちに詣でられるのが好きらしい。
事業主として、ホワイトカラーと立ち回るのが楽しくてたまらない様子。
これを「高度経済成長期」や「老害」の問題として糾弾するのはそれほどユニークなことでもない。起承転結の「転」の部分が今回もとても好かった。


「楽しいですよねえ、事業ってやつは。男にとっては『永遠に壊れない玩具』のようななものだ」


登場人物それぞれがためらいやまどいをもっていて、一回かぎりの出演者でもどしどし好きになる。旅館の三男に金井勇太。大旦那の配偶者に立石涼子。黒澤の少年期は細野涼聖が、青年期を大久保樹が好演している。