大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

〈「怨霊」を現実に見せていた組織があったと仮定すれば〉

その日ぐらし (PHP文庫) アトランティス
高橋克彦杉浦日向子『その日ぐらし』でおもしろかった話の一つに、「怨霊信仰」。

高橋 祟りをなすものということで「怨霊」を出現させていて、その祟りを藤原氏が御霊会などで鎮める。(……)時々は天皇の夜具の中に誰かを潜り込ませてみたり、真夜中に紫宸殿の屋根の上に無実の罪で死刑になった人物に似せた人を立たせてみたりする。そのくらいのことはしそうな気はします。

これは水木しげる安倍晴明について「ある程度の芝居が必要であり その芝居の素材をみつけるのも晴明はうまかったのだろう
下手するとサギもいいところである 人はおどろかされればおどろく それをうまくに導くわけだから漫画をかくよりすごい才能だし 度胸もある」と描いたことに通ずる。


ナショナルジオグラフィックの『都市伝説の真相』1-3「UFO」も、そういった話。

1940年代後半、この時代にアメリカではじまったUFOブームは、ソ連との冷戦が引き起こした強迫観念の産物です。
まさにこの時代に、アメリカ人は無数の未確認飛行物体を見はじめたのです。

(……)

核の時代と宇宙開発競争が、お手軽なSF物を爆発的に供給します。
アメリカ国内はすぐに空飛ぶ円盤やインベーダーをえがくB級映画であふれかえります。

(……)

こうして50年代に、この大衆文化はリアリティを持ちはじめ、UFOの目撃頻度も上昇しますが、アメリカ軍は開発競争との関係を否認します。

冷戦の真っ只中で、ソ連アメリカの両陣営は、実験的なマシンを開発し、世界一の座を得ようとしていました。アブロカーもその一つだったのです。

こうした開発プロジェクトは、実は宣伝効果を狙ったもので、UFOはある種の武器だったのです。

(……)

アメリカのUFOは宣伝用で、実際には軍事的な威力はなく、敵陣営の諜報活動をミスリードするためのものでした。

「エイリアンの円盤を確保した。飛行原理の解析を進めている。といった情報をクレムリンにリークすれば、敵を震えあがらせたでしょう」