大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「いきなりお弁当なんて、ちょっと、重たくないかなって……心配だったんだけど」「ああ……重いです」

第3夜 おっさんずラブ
牧春版『おっさんずラブ』がどのようなラストを迎えるのか気が気でなく、2016年のオムニバス『年の瀬 変愛ドラマ』「第3夜 おっさんずラブ」観る。
この試運転があったからこそブラッシュアップできたのだと得心。1年とすこしのあいだにドラマのトレンドもずいぶんと変わった。


同性からのモテ期が到来する春田に偏見や恐怖、警戒、猜疑心がある。「(部長からの弁当を)食っちまったってことは、こんどは、おれが食われる番だよなあ?」とか。
酔って寝ているところをルームメイトの長谷川(落合モトキ)にキスされそうになり「いやいやいや怖い怖い怖い怖い、一気に酔い醒めたわ」とか。
臆病な描写である。春田創一(田中圭)にそういうところがあるから長谷川も黒澤(吉田鋼太郎)も“マイノリティゆえにクセのある人物”としてえがかれてしまう。長谷川と黒澤がワサビたっぷりの寿司と唐辛子オイルまみれのピザを食わせあうような、ギャグのためのギャグも多い。
ここから牧春版まで洗練させた徳尾浩司、瑠東東一郎は凄い。
エピソードは増やす。台詞は引き算する。


単発ドラマ版、ラストは可能性をもたせた短編らしいもの。
牧春版のラストは牧春でいいんだよね?