大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

日本舞踊の世界にいたおとこの子が、歌舞伎に魅了される。「なんてファンタジックなんだろうなって」

『裸の少年』市川右團次。気さくで死角なし。その表現力、また人生経験もあって紹介する店のどれもが美味しそう。
銀座のシチュー「エルベ」。店長(郄本倹)とのやりとりだけでグッとくる。出前ではよく頼んでいるが対面するのは初めて。店長の昂揚と、それを無にしない右團次の愛想。
「じつは僕、猫舌なんですよ!」


11歳で単身上京。そのころの写真は、ほんとうに、大阪の子というかんじ。
つづくお店は浅草「本とさや」。人形町玉ひで」。
市川猿翁(当時、三代目市川猿之助)が倒れたときのエピソード。
「それが僕、ちょうど40歳ですね。ですから、いろんなことがありましたけども、2、3ヵ月お芝居がお休みになっちゃったりとか……。師匠がですね、あの、ここ(舞台)にいるわけじゃないですか、一緒にでてたりなんかすると。ほんとうはお客さまに向かって100パーセント、いろんなエネルギーを放出して、演じていかなきゃいけないのに、ここで、先生に見られてるわけだから、そうすると何パー……、何十パーセントはこっち(市川猿之助)に向かって芝居してたなァという自分がいるわけですよね。
師匠がお倒れになって、やっと気づくというね。40になってやっと気づくという。非常に、情けない」


さいごは「凡味」の胡麻豆腐。
作間龍斗が「ん! んん! 予想以上の胡麻ですね、これ。ちょっとしょっぱい、この、味が……弾けるんすよ。口のなかに。入れた瞬間に」