大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「底意地がわるくて、つめたい子。わたしを愛していないのよ」

フィンランド式残酷ショッピング・ツアー (字幕版)
フィンランド式残酷ショッピングツアー』(2012。ロシア。フィンランド。監督ミハイル・ブラシンスキー)。手持ちカメラによる一人称映画。その形式を確立したのがホラーゆえ、そちらに寄り添うかたちだけれども、家族映画。母子のロードムービーといった趣。69分。
母親は、必死だ。フィンランドで人食いに襲われるまえから、ずっと一生懸命だ。
生活のことをかんがえる。経済とか、未来とか。息子のスタースはそんなことかんがえない。自由行動のときは、ミドルティーンなのに酒を買ったり、ポルノ雑誌に衝撃を受けたり。
母子家庭。たった二人の家族だから母としては息子をパートナーとして信頼したい気もあるだろう。ところが息子のスタースはそんな責任かんじてもいない。
ホラー映画的には皮肉も効いていて、貧しさや狭量、黒い笑い。アネクドートなんてコトバを久しぶりにおもいだしたが、家族のスケッチをそこに見たとき憐れなものがあって哀しい。
スタース(ティモフィー・イェレツキー)かわいい。