大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

〈どんなに努力しても、差別化されていないものは、お客さまから支持されず、競争に勝つことはできません〉

「ホットケーキの神さまたち」に学ぶビジネスで成功する10のヒント

〈Part1では、私が実際に訪れたお気に入りのホットケーキの名店を紹介しました。気が向いたら、ぜひお近くのお店を訪ねてみてください。

たんなるガイドブックであれば、それでおしまいなのですが、そこで終わらないのがこの本の変なところです〉

遠藤功『「ホットケーキの神さまたち」に学ぶビジネスで成功する10のヒント』。「手づくりのホットケーキを供する個人経営のお店は、首都圏にせいぜい40店舗ほど」という。ワードをかさねていくごとに絞り込みされるかたちの文章。ここで紹介されるのは東京、神奈川、関西あわせて31店。ほぼ紹介されているといってもよい。

〈──ホットケーキという一見ありふれた食べ物でも、個性を生み出すことができる。

私にとっては衝撃的な発見でした〉

それぞれの店からストーリーを引きだす。定番の店からはじまって、スイーツずきに愛される店、サブカル的魅力に溢れた店と、並びが凄く、夢中になった。

「美味しい」にしても「美しい」にしても、「そこそこ美味しい」「そこそこ美しい」では、やがてお客さまは、ほかに逃げてしまいます。

成功のヒントは美しさばかりでないけれど、美しさについて語られているのが、好かった。〈「美しい」は「商品価値」の一部であると同時に、「経験価値」にもなりえます〉

 

けったいな好著である。そのなかの、美しさといくつかのストーリーにやられて読了。