大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

〈あそこにも ここにも しずかに しずかに しんでいる せみ〉

なっちゃんの なつ (かがくのとも絵本)

伊藤比呂美 文、片山健 絵『なっちゃんのなつ』。

ともちゃんちに あそびに いったら

だれも いなかったので

なっちゃんは ひとりで かわらに でかけました

書きだしから、やられる。はじまっている。詩は、こどものつくるぼうけんものがたりに近い。

省略もあるが、足し算もある。話をつぎつぎ順接でつないでいく。事実が溢れていく。生命力。

それが《好き》というものだろう。〈なっちゃんは くずの つるが すき〉、〈なっちゃんは ひまわりの はなが すき〉、〈なっちゃんは あおさぎが すき〉とえがかれる。どれも理由は感覚的だ。土地の匂いは異なるけれど、宮沢賢治だ。

夕立ちも。