週末のお楽しみ、大野拓朗主演のドラマ『ベビーシッター・ギン!』。あつかう世界が嘘でなく、陰惨でもなくがんばって生きようという気になる。
第3話。脚本、嶋田うれ葉。
公式はネタバレを避けているけれど、捨て子をめぐる凄い話なので、大胆に告知するのも良かったような。
脚本がとても好みだった。
作物は、因果を厳密に説こうとすればかえって緊張感がうしなわれ、退屈なものになる。だから、原因でもあり結果でもあるといった、省略と含蓄が効いた台詞にワクワクした。快い。
たとえば「保健体育だけは、みんな『5』」という台詞。保健体育の成績が優良だったために“ベビーシッターになりたい”とギンを訪れることになったのか、“ベビーシッターになりたい”と言うに至る行為のなかで、保健体育に習熟していったのか……。
前後関係をさまざまに想像させる。一目瞭然なことには台詞を割かない。
「わたしたちじゃ限界だって気づいたんです」
年齢の悲劇と、人間の悲劇をごっちゃにしていないのも好い。
年齢によって生まれる行動というものもある。それがきちんと書かれていることもあって、サトミ役の藤野涼子の高校生らしい無謀が沁みた。
父親役に、ミスターちん。