ゲイ友の、肉会。
三柴信司 28歳
印刷会社営業
夢中になれる 仕事に 打ち込んで
休日はジムに フットサル
だけど
俺には
人には秘密の
やめられないことが ひとつだけ
暴食すること!
ダヨオ『肉食組曲』第1巻。気持ちが好い。理屈をこねずに、しかもひとよりたくさん食べる。そのために運動は欠かさない。信司の性格がすでに立体的で、ひとと出会うたびいくらかの対話が要りそうな物語性をもっている。友人たちとの肉会。仕事終わりで遅れて参加して「俺今日 塩→タレ→〆 3周する」と手短に宣言するのもリズミカル。
セックスのばめんはないが、皆してそうな肉体だ。
信司は制作部の24歳・白瀬くんが気になっている。部署のちがい、年の差なんかも絶妙で。いま、肉テロ的なガイドブックをつくっている。
白瀬くん
どんな肉の色
出してくれんのかな
話は、順繰りに。肉会のひとりひとりに仕事場があり、恋のフラグが立ち、同人誌つくってる腐男子の片想いの悶えかた落ちこみかたすごく可笑しい。へんに行動的だったりして。
職場のあいてと恋仲になったのに、帰り道でにんにく大盛りの食事をしてる。「あんた何なんですか?!」「はっ?!」「何あんなに山盛りにんにく入れてんですか」
つながりたくて苛々してる。生活上の細かな感情の揺れをこぼさず描く。
このたくさんの美しさを見守らなければ。