大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

よい歪み、わるい歪み。

嘘八百 京町ロワイヤル

嘘八百 京町ロワイヤル』観る。とても良かった。

深すぎない。ダレない。監督は武正晴。脚本・足立紳今井雅子。脚本家によるノベライズはPARCO出版から。アツい。

前作『嘘八百』は堺市、今作では京都市の協力があった由。ロケ地スタッフキャストなど。お客さん、関西で特に好調とのこと。

 

主要人物を丁寧に膨らませつつ、ゲストキャラクターたちが人間的な臭みをだしてくる。

ヒロインは広末涼子。裏表のあるなかなか良い役。竜雷太加藤雅也は悪役としてみごと。真田実(議員役)、吹越満(番組プロデューサー役)、坂田聡(番組ディレクター役)もグッときた。

「陶芸王子」牧野に、山田裕貴。重要な役だった。

だまし合い、としてのおもしろさはもちろんあるし、だれもがどこかワルなのだけど、搾取する《中央》がある。骨董屋と政治家が癒着してできた古美術修復センターだ。そこから見れば中井貴一ら中年組も、森川葵前野朋哉山田裕貴ら若者組も周縁に過ぎない。登場人物の多くは《中央》にジカンもカネも奪われながら生きている。

そういう、搾取される「王子」としてのひたむきな頑張りだったり、疑念だったり、そもそもの業界への愛着だったりを山田裕貴が演じて素晴らしかった。

牧野(山田裕貴)は野田(佐々木蔵之介)に対するミーハーなあこがれを隠さない。だからこそ、野田は牧野に真っ当な道をあゆんでほしいと、おしえられることはおしえる。

この関係が好かった。そんなBLを欲した。

 

小池(中井貴一)が娘いまり(森川葵)のおごりで焼肉を食べまくるのも良かった。「だって食べ放題だろ」

みんながつがつ生きたいんだ。