韓国映画『クワイエット・ファミリー』のリメイク、『カタクリ家の幸福』(2002)。監督、三池崇史。作品内容が暴力的でもあるけれど、撮りかたもまた乱暴で、しかし手堅い。
三池映画は出来が良くないときもままある。それでいて、キャスティングはつねに魅力的。今作だと丹波哲郎、武田真治、遠藤憲一がでてきてそれぞれに思いを馳せる。
クレイアニメではじまる、ミュージカル映画のパロディ。冒頭で「合わないな」とかんじて観ないのも正解あ、「合わないから」観てみるのも正解。話はどんどん転がる。沢田研二と忌野清志郎の歌と踊りでモトはとれる。音楽は遠藤浩二と馬飼野康二。グロテスクなばめんが多いのに、イーカゲンでハッピーになれる。
娘「お父さんてさ、お母さんのつくったものだったら毒でも食べちゃうって感じだよね」
母「ころすのかんたん」
松坂慶子と沢田研二で演る夫婦が好い。若いころよりは肥った沢田研二が仕事のできない愛妻家という。脱サラしてはじめたペンション。客が来ない。たまに泊まったとおもうと翌朝しんでいる。さまざまな凶事の末にイーカゲンなハッピーエンドを迎えるのだが、これが観ているオトナに快い。