大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

カムカムミニキーナ『猿女のリレー』

さいしょのばめんは、個人書店。わけあって全焼する。大変だ。関係者の死や、失踪。えがかれるの時空を超えた「リレー」だ。

 

カムカムミニキーナ『猿女のリレー』。浅草九劇経由で、配信視聴した。

 

天照大御神の岩戸隠れ。そのまえで踊った「猿女」・俳優(ワザオギ)の系譜。これが飛鳥時代大海人皇子壬申の乱)、戦国時代(武田勝頼大久保長安)を経て現代へとつづいている。かれらをつなぎ、対話を可能とするのは黄泉の国というマジカルなばしょ。全焼した本屋の名は「比良坂書店」である。

失われた本はすべて店主のあたまに保存されている。しかし、ここに一度もなかっ「本」だってある。猿女たちが引き継いできた「本」なども。

かの女たちは濃厚接触をものともせず手から手へと「本」をリレーする。つまりは俳優たちの物語だから、感傷的なところもずいぶんある。観客や劇場を俯瞰、包括するような「舞台」の総合的なわくわくは台本に書きこまれていなかったとおもう。歴史をとりこんでいたが、先行する作品の引用はなかった。

とはいえそれはべつの劇団の仕事かもしれないし、観客を入れて劇場で上演したことがただただ凄い。

劇場の扉が開いた。つぎがある、ということだ。