中原中也記念館の企画『今、読む、中也。』配信視聴。出演は伊藤比呂美と高橋源一郎。ゲストに、第26回中原中也賞受賞の小島日和。
近代詩と現代詩がいっしょに入ってきた高橋源一郎の十代。田村隆一、吉本隆明、中原中也、ランボー。
深刻ではなかった。それらの一節を、深夜ラジオのように楽しんだ。授業中に同級生が耳打ちしてくる。「ああ、家が建つ家が建つ」。
キャッチーで実用的な断片。
伊藤比呂美は、中原中也の顔がよかった。それもある種の実用かもしれない。その詩は、季節を取っ掛かりにして理解できた。「『秋』がわかったらどんどんわかったの。次にわかったのが『曇った秋』」
中也の魅力は「どこまでいっても落第した、劣等生だったところ」。
詩でいちばんだいじなのは「声」だと高橋源一郎が言う。そのひとの出自、バックグラウンド。「その人がうたうんだったらどんな曲でも良い」
「声を出せるようになるために僕らは書いてる」
その声でどこへ行くのか。
若い小島日和に、高橋源一郎はおしえた。
「物を書いている人たちが行きたい場所は地獄」