大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「目のまえのものしか変えられない……。見えていればそこに命を吹きこめる」

グースバンプス 呪われたハロウィーン (字幕版)

『グースバンプス 呪われたハロウィーン』(2018)。1作目の邪悪な腹話術人形スラッピーが再度登場。ハロウィンの夜、スラッピーが町じゅうの仮装人形や道具に生命を与えるという展開は、モンスターの可能性を狭めているけれども。

活躍するのは中学生のソニー(ジェレミー・レイ・テイラー)とサム(カリール・ハリス)。サムの廃品回収アルバイトのなかで鍵のかかった本をみつけ、スラッピーと出会う。周囲のひとには秘密にするようスラッピーに言われもする。ひとつひとつのエピソードには体温がかんじられるが、ソニーたちの物語と、姉のサラ(マディソン・アイズマン)の物語――大学出願のための「恐怖」に関するエッセーを書こうとしているサラの額縁小説である――と、スラッピーの物語のどれもがエッセンスにとどまっている。尺が足りない。しかし愛しい。

前作でニンゲンの父親を得られなかったスラッピーは、今回ニンゲンの母親をもとめる。家族を欲している。それもさいしょはうまくいかなくて、「ガキどもの家族が無理なら、じぶんで家族をつくるしかないな」と辺りに魔法をかけはじめるわけだ。

監督アリ・サンデル。脚本ロブ・リーバー。