大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

テキストの抜粋、疾走する。

17番劇場『カフカの系譜』観る。朗読と、舞踏。構成・台本・演出は川口一史。

 

主調は「フェリーツェへの手紙」。それを取り巻くようにいくつもの小説が召喚される。恋文からはじまるので一寸びっくりした。疑心暗鬼の妄想をたくましくする情熱の、危うさ。虚構の原動力であるかもしれない。

社会を批評しているようで、じつは恋情の訴えこそが核だったということは、よくある。

愛されたかった。そういうテキスト群だった。

 

 

【第一幕】

プロローグ 暗い力へのあの下降

テキスト「手紙(マックス・ブロート宛)」「フェリーツェへの手紙」

 

シーン1 手紙からせめて私からあなたへと

テキスト「フェリーツェへの手紙」

 

シーン2 言語変容

テキスト「日記」のちに「観察」

 

シーン3 工区分割方式、隙間、ズームアップ

テキスト「万里の長城

 

シーン4 劇『マダム・ラ・モール』において、最初俳優たちは

テキスト「日記」

 

シーン5 永遠の(あるいは人生の)日常サーキット

テキスト「アフォリズム集

 

シーン6 没入、お互いが相手の体の中に入り込もうとしている

テキスト「フェリーツェへの手紙」

 

シーン7 この写真は、あなたをぼくにまたたいへん近く

テキスト「フェリーツェへの手紙」

 

シーン8 それは、あまりにも大切なことを理解し涙したはずなのに、

手元に残されていることといったら、

あまりといえばあまりにもありふれた、それでしかなかった。

テキスト「日記」

 

シーン9 記憶の配列

テキスト「フェリーツェへの手紙」

 

 

【第二幕】

シーン12 審判

テキスト「審判」

 

シーン13 変身

テキスト「変身」

 

シーン14 このお互いの抱擁と同様にする回転が

テキスト「フェリーツェへの手紙」

 

エピローグ

 

プログラムを書き出していくと俳優たちやテキストがよみがえる。この灼きつきと再現性はだれにもあるものなのか、学生時代に読んだ経験がいくらか有利に作用したのか。

シーン10、11が飛んでいるのも帰宅してから気にかかる。

舞踏として、シーンごとに分解は可能。出演は細田麻央、若尾伊佐子、文月若、長谷川葉月、石川秀樹、吉野文裕、生美、こかわひとみ、Marie Hahne 、榎本有希子、すすきだ真樹(打楽器演奏)。ベテラン、個性派、印象にのこるひと多数。観客も、ベテラン多数。たった1日だけの公演。