大竹まこと『完全版 こんな料理で男はまいる。 100レシピ (カドカワ・ミニッツブック)』。女が、男につくる料理という体で。「好みを探って時間をかけるより、誰もが好きなものをつくったほうが早い。好き嫌いを聞くのはもっと後でいいんだ」
男たちは決して多くを望んでいるわけではない。
弱ったときには優しくいたわってくれ、元気なときには温かいご飯とおいしいおみそ汁を簡単に作ってくれる女。そんな女がいたらなあと思っているだけなのだ。
「いかにも高そうな食材だらけの料理、どこの国のものかわからないような不思議な料理、いかにも工夫しましたという料理。これらはみんな男に喜ばれない。それらは食卓で男を緊張させてしまう」──。
男に対する教育、成長をうながす小説的な一文もある。「男の味覚は女のそれより保守的だ。それを少しでも乗り越えようとするとき、つまり何でも食べてやろうと決めてそれを実行するとき、男はひとつのたくましさを身につける」