大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「目のまえのものしか変えられない……。見えていればそこに命を吹きこめる」

『グースバンプス 呪われたハロウィーン』(2018)。1作目の邪悪な腹話術人形スラッピーが再度登場。ハロウィンの夜、スラッピーが町じゅうの仮装人形や道具に生命を与えるという展開は、モンスターの可能性を狭めているけれども。 活躍するのは中学生のソニ…

おとなとこどもが、おなじ壁をみている。

『グースバンプス モンスターと秘密の書』(2015)。ジュブナイルだが『キャビン』や『ゴーストバスターズ』(2016)の賑やかさ。あるいは『バタリアン』『ビートルジュース』辺りだろうか。種々のモンスターをモブとして扱うところが良い。 シナリオも魅力…

アルゼンチンホラー

デミアン・ラグナ監督『テリファイド』(2017)。 屋内。血まみれの女性、被疑者にされる男性パートナーという序盤はウェス・クレイヴンの『エルム街の悪夢』(1984)を想い起こさせてくれた。『壁の中に誰かがいる』とか。建て付けの良くない家が恐いものを…

「怖がることを怖がらないで」

『ハイルシュテッテン〜呪われた廃病院〜』(2018)。結びは一応ホラーだけれど、終盤の二転三転はサスペンスかも。 人気ユーチューバーのコラボ企画として廃病院で肝だめし。冒頭字幕ではサナトリウムだったこの施設で人体実験が行なわれていたこと、106号…

「人って本当によく嘘をつくんです そしてそれを指摘されるのを嫌がる」

原作・澤村御影、漫画・相尾灯自。『准教授・高槻彰良の推察』コミカライズの第2巻。 君を気持ち悪いと言う人がいるなら きっとその人は僕のことも気持ちが悪いと思うだろうね 高槻彰良と深町尚哉のむすびつき。 「不思議な話が生まれる背景には そのまま語…

「怪異っていうのは『現象』と『解釈』のふたつによって成り立っているんだよ」

「解釈をするときは気をつけないといけない 下手な解釈は現象そのものを歪めることがあるから」 原作・澤村御影、漫画・相尾灯自。『准教授・高槻彰良の推察』のコミカライズ、第1巻。 民俗学には「僕が調査に行ってしまったがために 何の土地的根拠もなく…

「ミステリーじゃなくてラブコメかな? と錯覚します(笑)」  神宮寺勇太

インパクトある表紙だった。撮ったのは田中和子(CAPS)。伊野尾慧と神宮寺勇太が連続ドラマ『准教授・高槻彰良の推察』。 個体差としての「かわいい」が身につくのは三十路のころかもしれない。磨きをかけた伊野尾慧が凄く、ドラマのなかで助演として輝くだ…

〈俺たちモグラ 酒があればいい〉

椿組『貫く閃光、彼方へ』観る。花園神社野外劇。 1年間、延期されていた演目。おもな舞台は1962年の新丹那トンネル掘削現場。このトンネルを新幹線が走る。目ざすは1964年の東京オリンピック。TOKYO2020に合わせたテーマでもあったわけだ。 「コロナ禍の中…

杉田玄白83歳

扉座『解体青茶婆』観る。作・演出、横内謙介。 日本の古典芸能に寄せた演出で、正方の舞台。生の演奏(ここではヴァイオリン)。間接照明、また夜を表すものとして蝋燭の灯り。 杉田玄白(有馬自由)の晩年。「蘭学事始」の草稿は出来ている。しかし、腑分…

(不器用が愛しいのか。愛しいけど不器用なのか)

『裸の少年』美 少年の髪型が新ドラマの仕様になり、楽しみになってくる。 ダンス早覚え対決。HiHi jets の作間龍斗、井上瑞稀はさすが。 そして美しさを取り戻した佐藤龍我。遠慮がちな時期を経て、よみがえる悪童の快活。悪童の心はまっすぐだ。 『ザ少年…

〈議会も虚ろな空間にすぎないのだ。失敗も成功もすべては上層部が決定する。私が、北と南の体制がどこか似ているという疑問を抱きはじめたのはその頃からである〉

李恢成『可能性としての「在日」』。エッセイと講演録。1970年から2001年まで。ながい時間が1冊にまとまっている。ここで何度も言及される北朝鮮と韓国の平和的統一は、まだ実現していない。 初出もあるけれど、底本に『沈黙と海』『円の中の子供』『時代と…

「世界を食ってやるって思ってた。だけど実際は」

インターネットの情報や、闇。そこを泳いでカネを持とう、権力を握ろうというイキッたIT仲間たち。ひさしぶりにあつまる。 密室の会話劇。近隣のWi-Fiすべてに入ることができる、きみたちのパスワードも当ててみせるなんて話からウィキリークス、アノニマス…