2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧
ここにも、舞台のような演出、ある。 『おっさんずラブ-in the sky-』にも『彼らを見ればわかること』にもあった。説明兼モノローグが、ピンスポットを当てられた舞台上の俳優の如きものとして、あつかわれる。 ある種の仰々しさだったり、起こりつつある事…
大鶴佐助・大鶴美仁音ふたり芝居『いかけしごむ』観る。有料生配信。60分。 台本は別役実。街の深いところ、どんづまり。だれも訪れないようなばしょに女がひとりいる。そこに、逃げてきた男。 「ココニスワラナイデクダサイ」という注意書や「いのちの電話…
わたしにわかっていることは、人はだれでも決して自分には賭けない、ということである。骨牌はいつも比喩を超えて実在し、偶然の至福を受けるのはカルタであって、ジョーカーやクイーンはますます美しく、そしてそれをめくる手の方はテーブルの片隅で少しず…
田山花袋や自然主義文学にこだわるうちに、辿り着いた。 中村光夫が「田山花袋」という作家論でこう書く。 「自然主義の勃興は文学の分野における『東京者』に対する田舎者の勝利であった」 岡崎武志『上京する文學 春樹から漱石まで』。〈三代以上続いた江…
配信サーフィン。鈴本演芸場の昼席をすこし観て、それから浅草九劇オンライン、柄本明の『煙草の害について』。 移動に時間をつかうことなく、つくられたものを渉猟できる。本や映画ではない。舞台でそれができるようになってしまった。 落語は、かなり厳選…